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2006年フェブラリーSを制した時のカネヒキリ
2006年フェブラリーSを制した時のカネヒキリ

1位 カネヒキリ(8億5,161万6,700円)

性別:牡馬
戦績:23戦12勝 [12-5-1-5]
主な勝ち鞍:05,08年ジャパンカップダート(G1)、06年フェブラリーS(G1)、08年東京大賞典(G1)

 国内外で23戦し、G1級レース7勝で約8億5000万円を稼ぎ出した“不屈のダート王者”カネヒキリが、ランキングトップに輝いた。カネヒキリは、3歳時の2005年にJRA最優秀ダートホースの称号を得るも、屈腱炎を患い長期戦線離脱を強いられた。だが、約2年半後に「不治の病」を克服して実戦に復帰すると、08年に再び王座を奪い返すことに成功する。

 芝2レースを走ってともに惨敗した2歳戦を終えたカネヒキリは、3歳となりダート路線に舵を切ると一変した強さをみせる。2月の未勝利戦、条件クラスを連勝し1200万円を加算。芝の毎日杯(7着)を挟んで迎えた端午S(OP)からユニコーンS、ジャパンダートダービー、ダービーグランプリと4連勝を果たし、1億6000万円弱の賞金を手にする。

 初の古馬相手となった武蔵野Sで2着に惜敗して連勝が途切れるも、続くジャパンカップダートを制した。この年の最優秀ダート馬に選ばれるとともに、3億1969万円の賞金加算に成功した。

 4歳を迎えて充実期に入った若き王者のカネヒキリは、フェブラリーS優勝後に挑んだドバイワールドカップで4着に入り、約1億3277万円を加えたが、帰国初戦の帝王賞で2着に敗れ、その後に屈腱炎を発症。この年は1億5727万円ほどの賞金獲得にとどまり、約2年半にも及ぶ闘病生活に入ることになる。6歳時の11月に武蔵野S(9着)でようやく競馬場へと戻ってきたカネヒキリは、続くジャパンCダート、暮れの東京大賞典と連勝を飾った。2億1357万円を得るとともに、最優秀ダート馬に選定された。

 3年ぶりにダート王者に返り咲いた7歳時のカネヒキリは、さらに川崎記念も制しG1級レースを3連勝。6000万円を上乗せした後、フェブラリーSで3着、かしわ記念で2着に敗れてこの年は1億500万円ほどの賞金を稼いだ。

 8歳時は、骨折により約1年後の帝王賞で実戦復帰を果たすと、2着に好走して2450万円を加算した。続くマーキュリーCでは59kgを背負いながら5馬身差の圧勝劇で貫録を示した後、結果的にラストランとなるブリーダーズGC(Jpn2)で2着に敗れ、2戦合計3000万円の賞金加算で引退。伝説的となった数々の偉業を残して種牡馬入りを果たした。

【了】

(文●TOM)

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