【最強香港馬 5選】あまりに強すぎた…日本馬の前に立ちはだかった伝説の香港馬たち
近年、国内トップホースたちの年末の選択肢として定着しつつある香港国際競走。1993年の香港マイルにホクセイシプレー(14着)が挑戦して以降、数多くの日本馬が香港へ遠征している。こうした日本と縁の深い香港競馬の歴史の中で、今回は時代を象徴する「香港最強馬」に注目。歴史的名馬と称される5頭を厳選して紹介する。
①精英大師(サイレントウィットネス)
生年月日:1999年10月1日
毛色:鹿毛
父:El Moxie
調教師:A.クルーズ
産地:オーストラリア
通算成績:29戦18勝[18-3-2-6]
主な勝ち鞍:2005スプリンターズS、2003,2004香港スプリント
最初に取り上げるのは、デビューからの連勝記録に世界中が注目したサイレントウィットネス。2002年の年末にデビューしたサイレントウィットネスは、そのデビュー戦から連戦連勝。約1年後にG1初挑戦となった香港スプリントでも勝利を収め、デビューから8連勝でのG1制覇を達成した。
さらに翌年の香港スプリントまではG1を中心に使われ、13戦13勝で香港スプリントを連覇。日本からもサニングデールとカルストンライトオが遠征していたが、全く寄せつけない走りであった。翌年も連勝を伸ばし続けたサイレントウィットネスは、ついにシガーの持つ16連勝という世界記録を更新する、17連勝を達成した。短距離戦線では敵なしだったこともあり、チャンピオンズマイルで初のマイル戦に挑戦。しかし、同厩舎の同期ブリッシュラックにハナ差交わされ、デビューからの連勝は17でストップした。
連勝が止まったサイレントウィットネスは、続く安田記念でブリッシュラックとともに初の海外遠征。前走で敗れたブリッシュラックには先着を果たし、アサクサデンエンとタイム差なしの3着に健闘した。さらに秋には、本職ともいえる1200m戦であるスプリンターズSに出走するため再来日し、デュランダルの追撃を凌いで勝利。日本のファンの前でもその強さをまざまざと見せつけ、芝1400m以下では18戦18勝とした。
その後は体調を崩したのと能力の衰えが重なった印象で、勝ち星は伸ばせず。連覇を目指してスプリンターズSにも出走したが、豪州馬テイクオーバーターゲットの4着に敗れた。8歳シーズンを迎えた2月に現役引退を発表。通算29戦18勝で、G1・9勝、重賞14勝を挙げた。
通算勝利数、G1勝利数、重賞勝利数でいずれも歴代香港馬の記録を更新。獲得賞金の6249万6396香港ドルというのも、当時の香港記録であった。引退後には、シャティン競馬場にサイレントウィットネス像が作られるほどの人気を誇り、まさに香港の英雄にふさわしい馬であった。