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2007年アイビスSDを制したサンアディユ
2007年アイビスSDを制したサンアディユ

8位 サンアディユ(2億4,212万4,000円)

性別:牝馬
戦績:18戦8勝 [8-2-0-8]
主な勝ち鞍:07年セントウルS(G2)

 それまではもっぱらダート戦を中心に活躍していたが、アイビスサマーダッシュで激変したサンアディユ。優勝をさらって一躍、芝短距離界の新星となり、生涯で2億4000万円超を稼ぎ出し、8位にランク入りした。

 サンアディユは、3歳の4月と通常よりも遅くにデビューし、競走生活の序盤はダート短距離戦で逃げ一辺倒のレースを強いられる。逃げれば強いが、番手以降に控えた途端、脆さを露呈するという競馬を繰り返していた。

 条件クラスでもがきつつも、初めて1200mに距離を詰めた4歳時の500万下(現・1勝クラス)と1000万下(現・2勝クラス)、さらに準オープンをいずれも逃げて圧勝。3連勝を収め、計4000万円超の賞金を稼ぎ出した。

 5歳となったサンアディユだったが、OPクラスに入ると必ずしもハナを奪い切れず、2戦を消化し、ともに着外に敗れてしまう。夏に入って目先を変え、芝初挑戦となる真夏の新潟名物“千直”重賞のアイビスSDに出走した。これまでのレースぶりとは違い、中団を追走する競馬を見せ、上がり最速の末脚を発揮する。重賞初制覇を果たし、賞金4169万円を手にした。

 北九州記念7着を挟んで臨んだセントウルSでは持ち前のスピードを生かして5馬身差で圧勝し、約6100万円余りを上乗せ。続くスプリンターズSでは、なんと単勝1番人気の支持を集め、しかも番手からの競馬で2着に好走。3900万円弱を手にし、勢いに乗るサンアディユは年末の京阪杯をも制し、4000万円超の賞金を加えることに成功した。

 芝の短距離戦に路線変更してから本格化となったかに見えたサンアディユだが、6歳初戦となったオーシャンSでしんがり負けを喫した翌日、厩舎で非業の死を遂げることとなる。しかし、牝馬ながらデビュー当初からは想像もできなかった晩年の活躍ぶりは、その後のダート短距離馬へひとつの“可能性”を提示する偉大なものであった。

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