⑤ディープインパクト
生年月日:2002年3月25日
毛色:鹿毛
調教師:池江泰郎(栗東)
主な産駒:ジェンティルドンナ、コントレイル、グランアレグリア
年代順に並べたため最後の紹介となったが、やはりサンデーサイレンス産駒の最高傑作として真っ先に名前が挙がることが一番多い馬といえば、ディープインパクト。戦績に関しては、もう今さら語るまでもない気がするが、2004年の12月にデビューしてから連戦連勝。特に、2戦目の若駒Sの映像をどこかで見たことがある方は多いのではないだろうか。
少頭数ながら縦長の馬群となる中、後方に悠然と構えるディープインパクト。最後の直線に入ってもテレビ画面に映らないほど離れた後方にいたが、エンジンが点火するとただ1頭次元の違う末脚。レース上がりを2秒5上回る上がり3Fを披露し、絶望的に思われた位置から5馬身突き抜けてみせた。その後も連勝街道を突き進み、シンボリルドルフ以来史上2頭目となる、無敗のクラシック3冠馬に輝いた。
先述した有馬記念では、ハーツクライに敗れて連勝がストップしたが、現役引退までに国内で敗れたのはこの一戦のみ。3着入線→失格となった凱旋門賞では、現地で日本人ファンが馬券を購入した影響も大きいと言われているが、現地で単勝オッズ1.5倍の支持を受けたとされている。
日本を代表するトップジョッキーである武豊騎手を持ってして、「英雄」「走っているというより飛んでいる」と言わしめたディープインパクトは、鳴り物入りで種牡馬入り。種牡馬としても、サンデーサイレンスの後継種牡馬として申し分のない活躍を見せ、2012年から11年連続でリーディングサイアーを獲得。2023年にはついに、サンデーサイレンスが持つ2749勝という産駒最多勝記録を抜く、2750勝目を挙げた。
活躍馬は多いため、挙げたらキリがないが、自身がサンデーサイレンスの晩年に誕生した大物だったのと同じように、晩年が近づくタイミングで輩出したのがコントレイル。自身と同じ無敗のクラシック3冠を達成した末っ子的な存在のこの馬に、後継種牡馬としての期待がかかる。
今回紹介した馬は、どれも種牡馬として大成功を収めた馬たち。「なんであの馬が入っていないのか」という声もあるだろうが、正直この5頭以外にも、取り上げたい馬はたくさんいた。それほどまでにサンデーサイレンス産駒の活躍馬は多いということで、サンデーサイレンスが日本競馬に与えた影響は、本当に計り知れない。今回は種牡馬としての活躍を重視した5頭だったため、また今度は別の切り口でサンデーサイレンス産駒を扱いたいと考えている。
【了】
(文●中西友馬)