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2002年ジャパンDDを制したゴールドアリュール
2002年ジャパンDDを制したゴールドアリュール

②ゴールドアリュール

生年月日:1999年3月3日
毛色:栗毛
調教師:池江泰郎(栗東)
主な産駒:エスポワールシチー、コパノリッキー、スマートファルコン

 ステイゴールドが香港ヴァーズを勝利する約1ヶ月前。芝1800mの新馬戦でデビューを果たしたのが、ゴールドアリュールであった。のちに京成杯を勝利するヤマニンセラフィムに敗れて2着となるも、いわゆる折り返しの新馬戦で初勝利を挙げる。その後はなかなか2勝目を挙げることができなかったが、初ダートとなった3歳500万下(現1勝クラス)、続く端午Sと4馬身差の快勝。賞金を加算してダービーにまで駒を進めた。

 すると、芝では新馬戦を勝利しただけであるにも関わらず、直線で先頭に立つシーンもある見せ場たっぷりの5着に健闘。芝でも世代トップクラスの能力があるところを見せたが、以降は2戦2勝のダート路線へと進む。同世代のアドマイヤドンとともにダート界を牽引し、G1級4勝を挙げた。まだまだ競走馬として全盛期であるはずの4歳夏に、ノド鳴りが悪化して電撃引退となってしまったが、短い現役生活の中でも相当なインパクトを与えた名馬であった。

 種牡馬としては、初年度産駒からG1級9勝のエスポワールシチーとG1級6勝のスマートファルコンを輩出するという大暴れ。自身がダービー5着と芝にも対応できるスピードがあったため、産駒から芝の大物も誕生するのではと思われたが、その後もやはりダートの名馬を数多く輩出。中でもコパノリッキーは、なんとG1級11勝を挙げる大活躍を果たした。

 それでも晩年には、唯一の芝G1馬であるナランフレグを輩出し、芝に対応できるスピード能力も産駒に受け継がれていることを証明した。自身はダートしか走ったことのない米国馬でありながら、産駒の活躍の舞台は芝に偏っていたサンデーサイレンス。その中で、サンデーサイレンス産駒唯一のダートG1馬であるゴールドアリュールは、まさに異彩を放つ存在であった。

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