喉から手が出るほど欲しかった…期待の若駒たち!【セレクトセール2024 高額落札馬 5選】
情報の少ない2歳戦を予想する上で、ひとつの重要なファクターとなる「セールでの落札額」。高額で落札された馬は、それだけホースマンが喉から手が出るほど欲しかった馬という前提があるのだ。今回は、2024年のセレクトセール・1歳馬部門において高額(ただし、2億円以上を基準)で競り落とされた馬を5頭を選び、紹介する。

①エムズビギン(5億9000万円)
性別:牡
生年月日:2023年3月26日
毛色:黒鹿毛
馬主:エムズレーシング
生産牧場:ノーザンファーム
2024年のセレクトセール・1歳馬部門において、歴代2位の落札額となる5億9000万円で競り落とされたエムズビギン。半兄には2025年のシンザン記念を制したリラエンブレムがおり、そのひとつ上の牝馬ベストミーエヴァーもリステッド競走で3着となるなどの活躍を見せている。
同馬の父はすでにG1馬を多数輩出しているキタサンブラックだが、母であるデルフィニアⅡの血統表には父にGalileo、母の父にDanehill Dancerと、欧州でリーディングサイアーに上り詰めた馬達が立ち並んでいる。これはいかにも重めの血統という感じがあり、もしかすると日本の高速馬場に適応できるだろうかと疑問を持つ人もいるかもしれない。
しかし、実はキタサンブラックと欧州血統の母馬という組み合わせには活躍馬が多い。2024年に最優秀2歳牡馬に選ばれたクロワデュノール(母の父Cape Cross)や、2023年の皐月賞を制したソールオリエンス(母の父Motivator)などがその代表例だ。
さらに、この2頭にあるLyphardの5×5もエムズビギンは持っている。このクロスは近年、リスグラシューやドウデュースなどの名馬が内包していると同時に、キタサンブラック産駒にとっては相性のいいニックスともいえる。つまり、エムズビギンの将来性はかなり高いといえるのではないだろうか。
栗東の友道康夫厩舎に入厩予定の同馬。同師からは「すごく良い体をしていて、距離は持ちそう」とのコメントがある。兄がクラシック路線にしっかり駒を進めているだけに、同馬もおそらく同じ道を目指すことになるのではないか。気になるデビューは秋頃を見据えているとのこと。実戦で期待に違わない走りを見せてくれるか、今から楽しみだ。