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T M South Dan
第32回 オーバルスプリントを制したときのテイエムサウスダン

⑤2021年(勝ち馬テイエムサウスダン)

 この年人気を集めたのは、交流重賞連勝中のラプタス。特に前走のサマーチャンピオンは7馬身差の圧勝で、勢いそのままに重賞3連勝を目指しての出走であった。

 2番人気も同じくJRA勢のテイエムサウスダン。こちらも2走前の黒船賞で8馬身差の圧勝。しかし前走のかきつばた記念でラプタスに3馬身差で敗れていたため、今回は2番人気となっていた。

 3番人気は地方馬のアランバローズ。同年の東京ダービー馬で、2歳時には中央交流の全日本2歳優駿も勝利。一気の距離短縮でJRA勢に挑んでいた。この3頭が単勝10倍を切るオッズに推され、発走を迎えた。

 レースは、久々の千四でも先手を取ることができたアランバローズがハナを切り、テイエムサウスダンが2番手を追走。ラプタスは最内枠からわずかにダッシュがつかなかったことが災いし1角のゴチャつきに巻き込まれる不利。ポジションを下げ、中団の後ろから進めることとなる。レースが動いたのは、3角手前。2番手のテイエムサウスダンが早めに前を捕まえにいき、アランバローズを交わして先頭へと立つ。交わされたアランバローズも内で必死に抵抗を見せ、2頭ほぼ並んだまま4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入ると、追い出されたテイエムサウスダンがアランバローズを一気に突き放して先頭。アランバローズは苦しくなり、その後ろにつけていたティーズダンクが残り150mあたりで2番手に浮上。しかし、前は先に抜け出したテイエムサウスダンがセーフティリードを築いて勝利。2馬身差の2着がティーズダンクとなり、そこから5馬身離れた3着には、辛くも後続の追い上げを凌ぎきったアランバローズが粘り込んだ。

 勝ったテイエムサウスダンは、交流重賞3勝目。その後は交流重賞のみならず、根岸Sの勝利やフェブラリーSでの2着など、ダート界のトップクラスと互角に渡り合った。7歳シーズンとなった2024年からは、活躍の舞台を佐賀に移している。

 このように、浦和の小回りコースにJRA勢が苦戦するためか、地方馬の活躍も顕著なオーバルスプリント。

 その一方で、近年は後にG1級で活躍を見せる、強いJRA勢の参戦も目立っている。

 JBCスプリントに向けてのステップレースとしても、注目しながら見ていきたい。

(文●中西友馬)

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