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Success Energy
第55回 東京盃を制したときのサクセスエナジー

④2020年(勝ち馬サクセスエナジー)

 ノブワイルドが連覇を達成した翌年となる、2020年のオーバルスプリント。この年は上位人気が非常に割れており、3〜4倍台に5頭が密集する単勝オッズとなっていた。

 JRA勢のサヴィやサクセスエナジー、トップウイナーに加えて、JRAから川崎に移籍して3戦目となるベストマッチョなどが上位の人気を集める形。しかしそんな割れたオッズの中でも、レース史上初となる3連覇を目指して出走してきたノブワイルドが、単勝3.1倍の1番人気に支持されて発走を迎えた。

 レースは、ベストマッチョの方が速いスタートだったが、内から押してノブワイルドがハナを主張。3年連続で先手を取る形となった。2番手にベストマッチョが続き、さらにその外にサクセスエナジーが並びかける。その後ろからトップウイナーやサヴィが追走するが、向正面から既に追っつけ通しとなっていた。レースが動いたのは3角手前。逃げるノブワイルドを交わし、ベストマッチョとサクセスエナジーが並んで先頭へと浮上。早々に交わされたノブワイルドは苦しい展開となり4角を回って最後の直線へと向かう。

 直線に入ると、外からねじ伏せるように突き放したサクセスエナジーが抜け出す。交わされたベストマッチョの外から、早々と交わされたはずのノブワイルドが息を吹き返すように伸びてきて、2番手争いへと持ち込む。しかしその争いを尻目に、サクセスエナジーが2馬身差の快勝。ノブワイルドの追撃をなんとか振り切ったベストマッチョが2番手を確保し、3連覇を目指したノブワイルドは意地を見せたが、ハナ差の3着に敗れた。

 勝ったサクセスエナジーは、これで交流重賞4勝目となった。惜しくもG1級のタイトルには手が届かなかったが、その後も現役引退までに重賞タイトルを2つ上積みした。特に千四の距離には絶対の自信を持っており、交流重賞6勝のうち5勝を千四で挙げる千四巧者であった。

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