HOME » コラム » 5選 » 地方馬も善戦するダート短距離戦。連覇を達成したノブワイルドなど【テレ玉杯オーバルスプリント 5選】 » ページ 2

Laser Bullet
ジャニュアリーステークスを制したときのレーザーバレット

②2016年(勝ち馬レーザーバレット)

 セイントメモリーの勝利から2年が経った、2015年のオーバルスプリント。このレースで重賞初制覇を達成したのが、レーザーバレットであった。その後、同年の兵庫GTで重賞2勝目を飾り、重賞戦線を賑わす存在となるかに思われたが、翌年の8歳シーズンは苦戦続き。勝利はおろか連対もなく、衰えも指摘されてきていた。

 そんな中で迎えた、2016年のオーバルスプリント。人気を集めたのは、地方馬のソルテ。重賞6連勝を果たし、交流重賞初挑戦となったかしわ記念でコパノリッキーの2着に好走。続くさきたま杯を制して交流重賞初制覇を飾り、勢いに乗ってオーバルスプリントに挑戦していた。

 対するレーザーバレットはこの年の不調により、前年覇者ながら5番人気に甘んじて、発走を迎えた。

 レースは、大方の予想通りソルテがハナを切るも、大外枠から先手を主張レガルスイも引かずに、2頭ほとんど並走の形で進んでいく。レーザーバレットは中団あたりにつけて、前の様子を窺っていた。レースが動いたのは3角手前。レーザーバレットが早めのスパートで位置を上げ、4番手辺りまで浮上。さらに3番手の外まで並びかけて4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入ると、ソルテがレガルスイを振り切って先頭。しかし、苦しくなったレガルスイを一気に交わして2番手まで上がったレーザーバレットが、外から1完歩ずつ差を詰めてくる。この2頭による争いは、ゴール前できっちり差し切ったレーザーバレットに軍配。半馬身差の2着にソルテが入り、積極的に運んだレガルスイが3着に粘り込んだ。

 勝ったレーザーバレットは見事な復活勝利で、オーバルスプリント史上初となる連覇を達成。さらに9歳で挑んだ翌年も、惜しくも3連覇こそならなかったものの2着に好走。8歳・9歳シーズンで連対を果たしたのはオーバルスプリントの2走のみと、この舞台とめっぽう相性の良い馬であった。

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