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【あえてダービー前に考える!今年の“菊花賞”有力馬 5頭】クラシック最後の冠を手にするのは…?

text by 中西友馬

牡馬クラシック1冠目の皐月賞が行われ、ダービートライアルも終了。競馬界はダービー一色となっていく時期を迎えている。そんなダービー直前にあえて考えてみたいのが、今年の菊花賞馬について。近年は3歳牡馬の秋の目標が多様化しており、そもそも菊花賞を目標にする馬を予測することが困難な状況。

そんな中、昨年の菊花賞で好走傾向にある馬のデータとして取り上げた「後半5F全て11秒台のラップを刻んだレースを勝利している馬」という条件を利用して、今年の菊花賞馬候補5頭を考えてみた。

2025年皐月賞を制したミュージアムマイル
2025年皐月賞を制したミュージアムマイル

①ミュージアムマイル

 最初に取り上げるのは、皐月賞馬ミュージアムマイル。条件を満たしたレースは、その皐月賞となっている。

 前後半のラップは59秒3-57秒7と、1秒6も後半が速い後傾ラップでありながら、ハナを切ったピコチャンブラックが18着に敗れたのを筆頭に、先行勢は失速が目立つ結果。2着のクロワデュノールを除いて、軒並み後方に沈んだ。

 これはやはり、向正面でファウストラーゼンとアロヒアリイが動いたことによってペースが上がったことが大きな要因と言える。
元々2ハロン目に10秒2というかなり速いラップを刻んだことで、先行勢は向正面で息を入れたかったはず。そこにまくりが飛んできたことでペースアップのタイミングが早く、後半5ハロンは全て11秒台という、今回注目したラップ構成となった。

 全体的にかなりスタミナを必要とする競馬になったことは間違いなく、そのレースで勝ち切ったミュージアムマイルは、菊花賞で好走する条件を満たしていると言える。ただ、父リオンディーズがマイルG1馬、母ミュージアムヒルが全3勝をマイルで挙げているという絵に描いたようなマイル血統で、さらには自身も朝日杯FSで2着。名前からも読み取れるように、元々陣営もマイル前後での活躍を考えていただろうし、実際にマイルでも結果を残している。

 もちろんダービーで2冠を達成すれば菊花賞に向かってくれるだろうが、仮にダービーで敗れた場合は、秋の目標を菊花賞に設定するかは怪しいところ。
 しかし個人的に、あのスタミナを問われるレースとなった皐月賞のラスト1Fを11秒6でまとめられる馬が、距離の壁にぶちあたるとは思えない。
 
 ダービーを勝って菊花賞に向かわざるを得ない形でなくても、ぜひ菊花賞で見てみたい1頭である。

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