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【オークス走破タイムトップテン】美しき名牝…樫の女王で最も速く駆け抜けたのは?

text by 目白明

今年で86回目を迎える牝馬クラシック第2戦・オークス。デビューから1年も経たない可憐な乙女たちには過酷ともいえる2400mの距離に試練に挑む。これまで幾多の名勝負を生んできた“世代の女王決定戦”だが、歴代最速タイムを記録したのはどの馬か。今回はその記録を、ランキング形式でじっくりと振り返る。

ミッキークイーン(写真左)とシンハライト(写真右)
ミッキークイーン(写真左)とシンハライト(写真右)

10位:2分25秒0
2015年ミッキークイーン (天候:晴 馬場:良)
2016年シンハライト (天候:晴 馬場:良)

 第10位は、2015年ミッキークイーン、2016年シンハライトが記録した2分25秒0だった。

 2015年に勝ったミッキークイーンは、桜花賞での抽選漏れの悔しさを晴らし、未知なる2400mを攻略して、世代の女王に輝いた。

 スタートすると、ノットフォーマルが先手を取り切ると、桜花賞馬のレッツゴードンキは5番手につけ、そこに並んで1番人気のルージュバック、ミッキークイーンは外の12番手につけた。前半1000mの通過は61秒3と、ややゆったりと流れ、各馬が横に広がって、迎えた最後の直線。

 ここまで先頭を走ってきたノットフォーマルを目掛けて、外からルージュバックが上がり、その外からはクルミナルとミッキークイーンが脚を伸ばしてきた。残り200mでルージュバックが先頭に立つが、ここからミッキークイーンの上がり最速34秒0の末脚が爆発する。ゴール手前で先頭に立つと、そのまま2分25秒0のタイムでゴール。桜花賞を抽選漏れの悔しさを晴らし、見事にオークスを制した。

 2016年に勝ったシンハライトは、僅差の2着に敗れた桜花賞の雪辱を果たして、馬名の由来通り、宝石のような輝かしい成績をおさめた。

 桜花賞馬のジュエラーが骨折で戦線を離脱して不在のため、負けられないシンハライトは、単勝2.0倍の1番人気に支持された。スタンド前から横一線でスタートすると、シンハライトは後方13番手からレースを進めた。1000mを59秒8と逃げるダンツペンダントが、平均ペースを作り、隊列に目立った動きはなくレースは3、4コーナーへ進み、迎えた最後の直線。

 2番手につけていたエンジェルフェイスが先頭に立つが、残り200mで好位に位置していたビッシュが先頭に立ち、そのまま突き抜けるかと思われたが、後方で脚を溜めていたシンハライトが馬群を割って上がってきた。上がり最速タイの33秒5の末脚で差し切ったシンハライトが、桜花賞の雪辱を晴らし、樫の女王に輝いた。

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