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コーナーワークを分析せよ!

 また、予想屋マスターは「トラックバイアスの分析で大事なのは直線ではなく、コーナーワーク」と語っています。特に重要なポイントは「3,4コーナー」だといいます。

 さらに「道中ずっと内を回っていて直線だけ外に出して追い込んでくると、外も届いているんじゃないか? というハナシをほとんどの人がしたがるんだけど、『いやいや、コーナーで内側を通って直線で外に出しただけだよね?』って」と、多くの競馬ファンが陥りやすい誤解についても指摘しています。

 それらをふまえて、予想屋マスターはトラックバイアスを理解する上で、重要なポイントを挙げています。

「1つ目は、ある程度人気は実力の1つのバロメーターでもあるから、人気のない馬がどこのコース取りを通ったか? 人気馬が飛んだ時にどういうコース取りだったか? を判断基準としてトラックバイアスを判断しよう、ということ。2つ目が、コース取りで最も大事なポイントは、実はコーナーワークだってことをみんな認識した方が良い、ということです」

 一方、玉嶋は、2022年の京都大賞典を例に挙げ、当日の観察の重要性を強調します。

「当日の9Rで、3,4コーナーで内よりも外にバーっと馬群が張ってきていたんですよね。それを見て、『今日はちょっと外かな?』っていうのがあって」と、当日の馬場状況を分析する必要性について話しています。

「雨が降ったことによって内外フラットになった。すごい外有利だったかというとちょっと分からないけど、少なくとも開幕週らしい内有利よりは、内外フラットに寄っていたと思います」と、予想屋マスターも同意します。

 馬場分析については、騎手心理や競走馬の能力を考慮して見極めなければなりませんが、それらもトラックバイアスを踏まえたうえでレースを観る必要があります。より高度な分析をするには、さらに深くまで競馬を理解する必要があると、両氏の対談から学ぶことができます。

 次回は、「トラックバイアス」と「能力比較」を踏まえたうえで、どのようにして回収率をあげていけばよいのか実践的な考え方を学びます。

次回:9月25日更新
回収率アップの秘訣とは!? “ビギナーズラック”にヒントあり


<プロフィール>
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。

▼競馬の教科書シリーズ▼
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