3位 岸滋彦(19歳11カ月)
●デビューから1年8カ月
●1989年エリザベス女王杯 サンドピアリス
現在は調教助手として活動している岸滋彦元騎手は2003年の引退までに通算431勝、重賞はG1・4勝を含む16勝を挙げる活躍をみせた。そんな岸滋彦元騎手はデビューから1年8カ月後の1989年、19歳11カ月で迎えたエリザベス女王杯で初めてのG1制覇を飾った。
1988年にデビューした岸滋彦元騎手は、初年度から36勝を挙げると、2年目の1989年にサンドピアリスと出会った。ダートを2勝した条件馬だったが、陣営は「岸騎手をG1に出走させてやりたい」という思いから、エリザベス女王杯に出走した。だが、サンドピアリスの人気は、20頭立ての20番人気。単勝オッズは430.6倍と、まったくと言っていいほど人気がなかった。
レースはレディゴシップがハナを切ると、断然の1番人気で桜花賞馬のシャダイカグラは4番手をキープ。サンドピアリスは後方15番手に位置につけて前を追う展開となる。4コーナー付近でシャダイカグラが故障により急失速し、場内が騒然とする中で迎えた直線、大外から飛んできたのがサンドピアリスだった。
関西テレビの杉本清アナの実況も「しかしびっくりだ!これはゼッケン番号6番サンドピアリスに間違いない!」と驚く中、サンドピアリスが、先頭でゴール板を駆け抜けた。単勝は4万3060円の超大穴配当。この大波乱をサンドピアリスと演じた岸騎手は、19歳11カ月の若さであった。