8位 藤田伸二(20歳8カ月)
●デビューから1年8カ月
●1992年エリザベス女王杯 タケノベルベット
2015年に騎手を引退した藤田伸二元騎手は、1991年にデビューから通算1918勝を挙げ、重賞93勝のうち、G1を21勝いう大舞台に強い名手であった。中でも1996年、“和製ラムタラ”の異名を持ったフサイチコンコルドとのコンビで出走した日本ダービーでは、音速の末脚と呼ばれる程の衝撃的な勝利で、戦後史上2位の24歳という若さで、ダービージョッキーに輝いた。
1991年にデビューした藤田元騎手は同年暮れに、G1初騎乗や重賞初制覇など、39勝を挙げる活躍を見せると、2年目には早くも20歳8カ月で、G1のタイトルを手中におさめる。その舞台となったのは、6戦3勝と条件戦を勝ち上がったばかりのタケノベルベットと挑んだエリザベス女王杯だった。
レースはスタート直後、スタンド前の大歓声を受けて、2番人気のメジロカンムリが逃げる展開となり、それを追いかけたのはサンエイサンキュー、ナリタフジヒメ。17番人気のタケノベルベットは13番手の外に構えた。3コーナーを過ぎたあたりで外から進出を開始し、直線入口では楽な手応えで先頭集団に並びかけ、残り200mの鞍上のゴーサインで一気に加速。一頭だけ次元の違う脚を使い、そのまま1着でゴール。
17番人気だったタケノベルベットが勝利したため、2着は2番人気ながら、馬連の配当が7万470円という番狂わせであった。勝った藤田騎手は、20歳8カ月でG1制覇を飾った。