1位 武豊(19歳7カ月)
●デビューから1年8カ月
●1988年菊花賞 スーパークリーク
グレード制導入後、最年少でG1勝利を果たしたのは、JRA通算4500勝以上を挙げ、50歳を超えた今なお、一線級で活躍する武豊騎手である。G1初勝利は、デビューから1年8カ月後の1988年11月、19歳7カ月で挑んだ菊花賞であった。
1987年にデビューした武豊騎手は、その年の10月に重賞初制覇を挙げるなど、年間69勝という当時の新人最多勝記録を樹立した。翌1988年4月には史上最年少の19歳1カ月でJRA通算100勝を達成すると、11月の菊花賞ではG1初制覇を目指して、スーパークリークとのコンビで挑んだ。
3番人気に支持されたスーパークリークは、道中、中団のやや後方に付けると、徐々に内側に進路を変えて、1周目のスタンド前では、内ラチ近くで、1番人気ヤエノムテキを見られる場所を確保した。向正面でも折り合い良く、鞍上の想定通り、4コーナーで内が開いた瞬間、スーパークリークはインを突いてスパートを仕掛けた。
直線でも脚力が衰えるどころか凄みを増したスーパークリークが、2着に5馬身差を付ける完勝で、G1初制覇を達成。鞍上の武豊騎手は19歳7カ月でのG1最年少制覇記録を打ち立て、2025年現在もこの記録は破られていない。
【了】
(文●目白明)