1位 キタサンブラック(2.88)
「世界1位」の称号を受けたイクイノックスや、皐月賞を異次元の末脚で勝利したソールオリエンス、2025年の三冠路線で大きな期待を受けているクロワデュノールと、すでに何頭も実力馬を競馬界に送り込んでいるキタサンブラックが、栄えある1位にランクインした。
上述した3頭のように、キタサンブラックの産駒は一瞬のキレに勝っているタイプが多い。仕掛けられてからの反応速度も良いのが、名馬が多い理由だろうか。
その分、過去3年のデータでは内回りが狭い阪神や、小回りの中山では2歳戦の複勝率があまり高くない一方、東京や京都などの直線が広いコースでは複勝率が高い。ただし、2024年は12月の中山で産駒が4勝を挙げており、やや過去の傾向とは異なるデータとなっている。
また、産駒の勝利する時期にも変化が出始めた。2022、23年は秋以降の勝利が多かったが、2024年は6,7月という早い時期に集中。秋以降の特別戦を勝利する馬もクロワデュノールを筆頭に増加した。
イクイノックスの活躍により繁殖牝馬の質も上がったことを考えると、早めに仕上がってくる馬が種牡馬入り当初より増加してきたと考えることもできそうだ。
2025年4月現在、日本競馬に血統登録されている同馬の産駒数は163頭。2025年の世代は繁殖馬の質がさらに上がったため、期待値は例年以上という噂もある。イクイノックスやソールオリエンスが僅かに届かなかった日本ダービーのタイトルに、果たしてこの世代は手が届くだろうか。
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(文●小早川涼風)