――では、勝利した海外G1の話もお伺いできますか?
実は、一番使いたかったレース(ドンカスターマイル)の前に大雨が降って。丸田くんに乗ってもらったんだけど、直線伸びなくてあまり良い成績じゃなかったんだよね。
――ドンカスターマイルは6着でしたね。
だけど、レースが終わって帰ろうかとなったときに、何か月もハナズゴールについてくれてた士津八(現・加藤士津八調教師)が「使ったあともすごく状態が良いから、もう1回だけ使わせてくれ」って言うんだよ。それで「まぁ、士津八が言うんだったら聞いてあげよう」と思って、それをマイケルさんに話したら「うん、分かりました」って。
――士津八さんのひと言で、遠征が延長されたわけですね。
そう、もう一戦使って良かった。実はそのレースまで何回もオーストラリアに行ってたのに、その時だけ行ってなかったんですよ。だから、日本で見ようとしても映像がなくて。それで、最終的には音声だけ聞いてたんだけど、もちろん英語の実況で全然分からなくて(笑)。
――たしかに英語の実況だけでは分からないですよね(笑)。
必死で聞いていたんだけど、直線入ったあたりでも「ハナズゴール」ってひと言も言わないから、「あ、ダメなのかな」って思って。そうやって半分諦めてたら、最後の最後ゴールの時に「ハナズゴール」って言ったのね。
「なんで最後に呼ばれたんだ?」って思ったんだけど、その時は勝ったことがまだ分かってないわけ。あとから勝ったことが分かって、本当に嬉しかったね。あの時は、士津八が馬の状態をちゃんと把握して、適切な意見くれたから良かった。士津八に本当感謝です。
――海外のG1勝つなんて、その当時は特に快挙でしたからね。
しかもオーストラリアって、昔から長距離よりも短距離~マイルのほうが強いんですよね。そこで勝ったんだからすごいと思う。オーストラリアの短い距離、それもメルボルンじゃなくて、シドニーでね。本当にすごい馬でしたよ。