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2004年天皇賞(春)を制した時のイングランディーレ
2004年天皇賞(春)を制した時のイングランディーレ

②2004年(勝ち馬イングランディーレ)

 メジロブライトの勝利から6年が経った、2004年の天皇賞(春)。この年も、前年の牡馬クラシックを沸かせた4歳馬たちに人気が集まっていた。

 1番人気(単勝オッズ2.2倍)は、リンカーン。ダービーでは8着に敗れたが、夏を越しての成長と長距離適性で、菊花賞と有馬記念で続けて2着と惜敗を喫した。前哨戦の阪神大賞典では、単勝1.4倍という断然の人気に応えて重賞初制覇。勢いに乗って本番を迎えていた。

 続く2番人気(単勝オッズ4.1倍)は、春2冠馬のネオユニヴァース。菊花賞で3着に敗れて3冠達成こそならなかったが、実績は最上位であった。あとは、長距離適性がどうか。

 そして3番人気(単勝オッズ5.0倍)は、ザッツザプレンティ。こちらは菊花賞を制してネオユニヴァースの3冠達成を阻止した。その後、道悪のジャパンCで2着となるなど、スタミナには定評があった。前哨戦の阪神大賞典ではリンカーンの2着に敗れていたが、2キロ重かった斤量を考えれば、上々の内容といえる。

 さらには、4番人気(単勝オッズ7.7倍)のゼンノロブロイまでもが4歳馬で、出走馬の半数となる9頭が出走していた4歳馬が人気を集めて発走を迎えた。

 レースは、イングランディーレの大逃げで幕を開け、人気4頭の中で一番前となったのは、好位から進めたゼンノロブロイ。その直後にザッツザプレンティがつけ、リンカーンは中団あたり。ネオユニヴァースは後方に近い位置どりとなった。

 2番手以降は牽制しあって金縛りにあったかのように動けず、直線に入ってもイングランディーレが大きなリードを保ったまま。ようやくゼンノロブロイが2番手に上がるも、時すでに遅し。最後まで脚いろの衰えなかったイングランディーレがまんまと逃げ切り、7馬身差の圧勝劇を演じた。

 ゼンノロブロイが2着に入り、3着にはシルクフェイマスが続いた。1〜3番人気馬はいずれも伸びがなく、揃って2ケタ着順に沈んだ。

 勝ったイングランディーレは、これが嬉しいG1初制覇。前走はダート2400mのダイオライト記念という、異色の長距離二刀流であった。

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