HOME » コラム » 5選 » 打倒“皐月賞組”!別路線からダービーに臨む注目の5頭「逆転の可能性も……」 » ページ 4

大寒桜賞を制したエムズ
大寒桜賞を制したエムズ

④エムズ

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父:ドゥラメンテ
母:ライフフォーセール
母父:Not For Sale
調教師:池江泰寿 (栗東)
馬主:エムズレーシング
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 4頭目に取り上げるのは、京都新聞杯に出走を予定しているエムズ。またドゥラメンテ産駒であり、阪神JFを制したダノンファンタジーを姉に持つ良血馬である。

 2歳12月とデビューはやや遅めであったが、中京芝2000mの新馬戦を好位の外めから抜け出して勝利した。ラストは一見、2着馬に詰め寄られたようだが、エムズ自身にはまだ余裕があるようにも感じられ、迫られても交わされる感じはない着差以上の快勝であった。

 そこから休養を挟み、2戦目は大寒桜賞。元々牡馬にしては少し線が細く映る体つきだったが、馬体の成長を促す休養によって、12キロ増えて450キロとなった。見た目にもかなりしっかりした印象を受けた。

 そしてレースでも、スタートこそあまり速くなかったが、行き脚がついて2番手に収まると、そこでしっかり折り合う。あとは直線で逃げ馬を交わすだけといった感じで、3馬身半差の快勝。デビューからの連勝を飾った。

 この馬のセールスポイントは、なんといってもレースセンスの良さ。2戦ともに好位から抜け出す横綱相撲で勝利を収めている。スタートは決して速いタイプではないが、行き脚がしっかりしているため、多頭数でもポジション取りには苦労しないだろう。

 初戦は荻野極騎手、2戦目はルメール騎手が手綱を執り、次走の京都新聞杯は松山騎手が騎乗予定。あまり癖がなく、ポジションが取れて鞍上の指示通りに動ける馬のため、テン乗り自体は問題ないと見ている。

 しかし、松山騎手には皐月賞4着のジョバンニがいるため、エムズが賞金を加算した場合、ダービー本番で誰が騎乗するかはいまだ不透明。3戦3勝でダービー挑戦となった場合、その鞍上にも注目が集まることとなりそうだ。

 青葉賞と違って、3頭のダービー馬を輩出している京都新聞杯から、今年も新たな惑星が誕生するかもしれない。

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