③レイニング
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父:サートゥルナーリア
母:クルミナル
母父:ディープインパクト
調教師:国枝栄 (美浦)
馬主:キャロットファーム
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先日JRA通算1100勝を達成し、G1・23勝を挙げている名伯楽・国枝栄調教師にとって、今年がダービーに挑戦できるラストイヤー。しかし、これだけの実績を残していながら、ダービーの最高成績は2018年のコズミックフォースで3着。最後のダービーにかける想いは誰よりも強いと言っても過言ではないだろう。
そんな国枝師は、青葉賞も2頭出しでダービー切符を掴みに行くが、その2頭以上に大器との呼び声があるのが、来週のプリンシパルSに出走予定のレイニング。
こちらはサートゥルナーリア産駒で、母は桜花賞2着、オークス3着のクルミナル。姉には重賞戦線を賑わせたククナがいる血統である。
デビューは2歳11月の東京芝1800m。前半1000m通過64秒2のスローペースで後方からのレースとなったが、常に馬群の外々を回る安全運転で余裕の差し切り勝ち。他馬とかなりの能力差がないととれない戦法で、鞍上の戸崎騎手もこの馬の能力を高く評価していることが見て取れるレースであった。
新馬戦勝利後は、頓挫があって皐月賞には間に合わなかったが、幸いにも大きな怪我にはつながらず、大目標のダービーに向けて調整は順調のよう。さらには、新馬戦で手綱を執った戸崎騎手も継続騎乗となる予定である。
しかし、プリンシパルSは重賞ではなくリステッド競走のため、賞金が加算されるのは1着のみ。ダービートライアルでもあるが、優先出走権はやはり1着のみ。1戦1勝のレイニングにとってプリンシパルSは、勝つしかダービーへの道が開かれない厳しい戦いとなる。
新馬戦以来半年ぶりのレースでプリンシパルSを勝利してダービー出走、そしてラストイヤーの国枝厩舎が悲願のダービー初制覇。そんなドラマのような話があるだろうか、と思いつつも、期待せざるを得ないポテンシャルを秘めた馬である。