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【天皇賞(春)走破タイムトップテン】伝統のマラソンレースを最も速く駆け抜けたのは?

text by 目白明

伝統の長距離王決定戦・天皇賞(春)。3200mという中央競馬で最長の距離を誇るG1では、究極のスタミナ勝負が数多く繰り広げられてきた。そんな天皇賞(春)で、歴代最速タイムを記録したのは、一体どの馬なのか。ランキング形式で、10位からじっくりと振り返っていく。

※2021年に3分14秒7で走破したワールドプレミアは、阪神競馬場での記録のため、今回のランキングには含めていない。

スペシャルウィーク(写真左)とキタサンブラック(写真右)
スペシャルウィーク(写真左)とキタサンブラック(写真右)

10位:1999年スペシャルウィーク(タイム:3分15秒3 天候:晴 馬場:良)

   2016年キタサンブラック(タイム:3分15秒3 天候:晴 馬場:良)

第10位は、1999年スペシャルウィーク、2016年キタサンブラックが記録した3分15秒3だった。

 1999年に勝ったスペシャルウィークは、前年に日本ダービーを勝利して、それ以来となるG1勝利を飾った。年明けは、AJCC、阪神大賞典と連勝で臨み、見事に2勝目を挙げた。

 スタートすると、これまで逃げや先行策をとっていた前年の2冠馬セイウンスカイが、やや後手となり、スペシャルウィークは前目3番手の展開となった。最初の1000mは60秒9で進み、1周目スタンド前でセイウンスカイが先頭に立つと、スペシャルウィークは変わらず3番手の外目を進んだ。

 2周目の向正面でスペシャルウィークが早めに仕掛け、セイウンスカイの2馬身後方まで迫ると、4コーナーでは2頭をマークしていた前年の覇者メジロブライトが一気に進み、3頭の叩き合いとなる。残り200mでスペシャルウィークが先頭に立つと、後方からメジロブライトも懸命に追うが、最後は半馬身退けたスペシャルウィークが、3分15秒3のタイムで優勝した。

 2016年に勝ったキタサンブラックは、前年に菊花賞を勝利して、それ以来のG1制覇が期待されて迎えた天皇賞(春)だった。無尽蔵のスタミナを発揮して、4センチの激闘を制してG1・2勝目を挙げた。

 スタートすると、最内から好ダッシュを見せたキタサンブラックは、ハナへ立つ。最初の1000mの通過は61秒8とゆったりと流れ、1周目の正面スタンド前へ。依然、先頭をマイペースで走るキタサンブラックは、2周目の3、4コーナーでも楽な手応えで先頭をキープ。

 残り200mを切っても先頭が走るが、後方からカレンミロティックがジリジリと接近する。2頭の叩き合いは、カレンミロティックがわずかに、前に出たかに見えたが、ゴール寸前で、キタサンブラックが盛り返し、ほぼ並んでゴール。写真判定の末、キタサンブラックが4センチ先着して、3分15秒3のタイムで優勝した。

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