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「2012年凱旋門賞」オルフェーヴル(写真左)とソレミア(写真右)の
「2012年凱旋門賞」オルフェーヴル(写真左)とソレミア(写真右)の

④2012年凱旋門賞 ~ロンシャンの悲劇~

 4つ目のレースは「本当に好きなレースの中に入れて良いのだろうか?」と思うほどのレースで、今でも心に深く刻まれている衝撃の一戦です。「オルフェーヴルが……」という。

 ご存じの方も多いと思いますが、2012年の凱旋門賞は、日本の競馬ファンが絶望した瞬間です。例えるなら、サッカーでいう「ドーハの悲劇」のような感じですね。何年経っても信じられないので、いまだに時々レース映像を見返してしまいます。

 直線でオルフェーヴルが最初に抜け出したときは、テレビの前で立ち上がってガッツポーズしていたんですけど……。ソレミアが迫ってきた途端、静かに両手を下げました(笑)。本当に時が止まったみたいで、そのあとの記憶も少し曖昧なぐらいです。

 オルフェーヴルは翌年も凱旋門賞に挑みましたが、今度はトレヴに5馬身離されての2着に終わりました。2年連続で2着というのは本当に偉業なんですけど、どうしても「勝ってほしかった」という想いが拭いきれません。以前の「好きな馬5頭」で挙げましたが、やはりステイゴールドの血統が好きです。だからこそ、オルフェーヴルに勝ってほしかったなと。

 それでも、あの挑戦は確実に日本競馬の歴史を前に進めたと思います。この先も日本馬の挑戦は続いていくので、毎年応援していきたいです。

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