②2011年ドバイワールドカップ ~日本馬のワンツー決着~
2つ目のレースは、2011年のドバイワールドカップです。このレースが行われたのは、2011年3月26日。この時期、日本は東日本大震災の直後で、私自身も「こんな時に競馬を見ていて良いのか」と葛藤を抱えていました。
そのように迷った部分もありましたが「馬が頑張っているのだから応援するべきだ」と思い、レースを見守っていたのを覚えています。ただ正直なところ、その当時は日本馬がドバイワールドカップを勝つなんて、想像もしていなかったんです。
そんな中で、ヴィクトワールピサが日本調教馬として初めてのドバイワールドカップを制覇。しかも、2着にトランセンドが入るという、劇的なワンツーでした。本当に嬉しくて、気がついたら立ち上がってガッツポーズしていました。夜遅かったので、声を出したらいけないんだけど、思わず叫んでしまったほどです。世間的な背景もあって、心が沈んだような日々が続いていましたが、ヴィクトワールピサの勝利は私にも元気を与えてくれました。
また、ヴィクトワールピサの鞍上ミルコ・デムーロさんは当時日本競馬所属の騎手ではありませんでしたが、勝利を心から喜んでくれていた様子が印象的で、大好きになりました。それもあって、彼がJRAの長期免許で来日すると決まったのもすごく嬉しかったです。今では「日本人より日本人らしい騎手」といわれるほどになってますよね(笑)。