今週は牡馬クラシック第一冠「皐月賞」が行われる。ルメール様は、有力馬の一頭であるヴィンセンシオに騎乗する。しかし、今年のルメール様は稀に見る絶不調…。そんな中、新たな神候補モレイラさんが出現した。というわけで今回は 『ルメール自信あります専門家』の中毒じゃない象さん（@chudokuzzz）に、ルメール様とモレイラさんの直接対決の成績を分析してもらった。我々が知らぬ間に、ルメール様はモレイラさんに神の座を譲ったのか……？

■ルメール様はモレイラさんに神の座を譲ったのか？

12月以来、久しぶりのコラム執筆となったわけだが、その間にルメール様は絶不調である。

例年スロースターターで有名なルメール様だが、今年は特にひどい。インドやドバイ、オーストラリアと海外遠征が多かったという言い訳は立つものの、先週時点でまだ22勝しかできておらず、リーディング12位と信じられない順位に位置している。

去年の今頃は46勝で、リーディング2位だったことを考えると、その数字の低さが分かるだろう。

そして、その間に「神」の座に君臨しつつあるのが、モレイラさんである。

「ラテンの魔術師」の異名を持つジョアン・モレイラさんはブラジル出身。南米で頭角を現すと、シンガポールで4年連続リーディング、香港では年間170勝超を記録し“マジックマン”と称された。JRAでは短期免許のみの騎乗ながらGⅠ3勝、重賞12勝。わずかな騎乗機会で結果を出し続ける世界屈指の実力者である。

そのモレイラさんだが、今年は勝率31.7％とアホみたいな数値を叩きだしている。（勝率お化けの川田さんですら22.3%であることを考えると、その数字の異常さが分かる事だろう）

その影響か、既にルメール教からモレイラ教へ改宗した不届き者が後を絶たない。

今週行われる皐月賞の予想オッズも、ルメール様が騎乗するヴィンセンシオが16.8倍なのに対し、モレイラさんが騎乗するミュージックマイルが17.3倍と甲乙つけがたいオッズになっている。

この2頭は前走弥生賞で直接対決を行っており、ミュージックマイルがヴィンセンシオに1.5馬身差ほど遅れを取っていたことを考えると、ルメール様過剰人気のこのご時世において信じられない現象と言える。

そういうわけで、恒例ではあるが、二人の直接対決の成績を分析することで、どちらが神なのかはっきりさせておこうというのが、今回の主旨だ。

■ルメール様とモレイラさんの直接対決

ルメール様がモレイラさんと対戦したレースは全部で304レースであった。

そして対戦成績はルメール様の154勝、モレイラさんの150勝である。五分と言ってよい数字ではあるが、それでもルメール様が勝ち越していることは見過ごせない。

※二人とも平均人気は2.6であった。人気で騎乗馬の質を比較するのはナンセンスかもしれないが、二人とも有力馬に騎乗しており、そこまで馬質に違いはないと言えるのではないだろうか……知らんけど。

ただ、こうやって書くと、昔の成績を含むのはフェアではないという声も上がるかもしれない。

モレイラさんがモレイラ神と言われるようになったのはここ数年のことだからだ。というわけで、ここ3年の数字に絞って、成績を出してみることにした。

ここ3年だと直接対決は148戦であった。そして対戦成績はルメール様の80勝、モレイラさんの68勝である。

そう、ここ3年で絞っても、ルメール様はモレイラさんに勝ち越していることになるのだ。

※今年はまだ8戦しかしておらず、ルメール様の4勝、モレイラさんの4勝となる。

この数字でルメール様から神の座を奪おうなんて100年早いと、ルメール様信者の私は言いたい。