
1位 ナリタブライアン(10億2,691万6,000円)
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性別:牡馬
戦績:21戦12勝 [12-3-1-5]
主な勝ち鞍:93年朝日杯3歳S(G1)、94年クラシック三冠、有馬記念(G1)
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堂々のトップに輝いたのは、1994年のクラシック三冠馬ナリタブライアン。名牝パシフィカスの仔であり、G1・3勝を挙げた1歳違いの半兄ビワハヤヒデとは異なり、黒鹿毛で筋骨隆々な姿が印象的だった。
早期から優秀な戦歴を重ねた兄とは違い、2歳のデビュー当初は苦戦が続いた。だが11月の京都3歳S(OP)を勝ったあたりから走りが一変。次戦の朝日杯3歳S(現・朝日杯FS)を楽勝し、この年は7戦4勝で、約9660万円の賞金を獲得した。
3歳となったナリタブライアンの快進撃は止まるところを知らず、初戦の共同通信杯を皮切りに、スプリングS、皐月賞、日本ダービーと走る度に強さを増していくような走りで、重賞5連勝を達成。
秋の復帰戦となった京都新聞杯では2着に惜敗し、連勝がストップするも、続く菊花賞を圧勝して史上5頭目の三冠馬となり、続く年末の有馬記念も楽勝した。この年だけで7戦6勝、7億1280万円の大金を手にした「シャドーロールの怪物」は、今でも必ず最強馬論争の中心に名が挙がるほど強烈なインパクトを残した。
4歳となったナリタブライアンの初戦となった阪神大賞典でも単勝オッズ元返しの1.0倍という支持を集め、期待通りに7馬身差の楽勝劇を演じて、6500万円ほどの賞金を加算する。しかし、これからという矢先、右股関節炎を発症してしまう。これが引き金となり、同年秋の天皇賞(12着)で復帰するも、ジャパンC(6着)、有馬記念(4着)と立て続けに“らしくない”競馬を繰り返し、有馬記念での2000万円の賞金加算のみに終わった。
5歳を迎えたナリタブライアンは、阪神大賞典でマヤノトップガンとのブライアンズタイム産駒同士による伝説的な一騎打ちを制し、続く天皇賞(春)でも2着に好走。1億2000万円ほどの賞金を上積みしたものの、結局3歳の全盛期にみせた圧倒的な強さを取り戻すには至らず。高松宮記念4着を最後に、故障により惜しまれながらターフを去った。
「シャドーロールの怪物」の伝説は、今なお語り継がれている。
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(文●TOM)