HOME » コラム » 5選 » この名コンビに思わずもらい泣き…【皐月賞でGⅠ初勝利を飾った名ジョッキー5選】 » ページ 2
MircoDemuro_NeoUniverse
第63回皐月賞を制したミルコ・デムーロ騎手(写真左)

②ネオユニヴァース×ミルコ・デムーロ

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2003年 第63回皐月賞
優勝馬:ネオユニヴァース(1番人気)
騎手:ミルコ・デムーロ(24歳)
調教師:瀬戸口勉【栗東】
馬主:社台レースホース
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 ネオユニヴァースには2月のきさらぎ賞まで福永祐一騎手(現・調教師)が騎乗していたが、お手馬の兼ね合いでスプリングSからは騎乗しないことが決定。そこで同馬の鞍上に抜擢されたのが、短期免許で来日するようになって5年目の若手、ミルコ・デムーロ騎手だった。

 スプリングSを制した時点でネオユニヴァースに「素質がある」と感じていたデムーロ騎手は、皐月賞でも相棒の走りには自信を持っていたという。だが、道中は中団から進めたネオユニヴァースだったが、勝負所で前が開かない。ライバルである有力各馬が4コーナーで先頭争いを繰り広げようかという時も、まだ馬群に包まれていた。

 しかし、直線でエースインザレースとザッツザプレンティの間に道ができた瞬間、ネオユニヴァースはそこを突いて脚を伸ばす。同時に外からサクラプレジデントも併せ馬の形で迫るが最後まで譲らず、そのまま先頭でゴール板を駆け抜けた。

 この勝利が来日後初のG1制覇となったデムーロ騎手は、続く日本ダービーもネオユニヴァースで勝利。史上初の外国人騎手によるダービー制覇も果たし「自国のダービーを勝つより嬉しい」と語った。

 この12年後に日本の騎手免許を取得し、JRA所属となった彼は、ネオユニヴァースに対してこう言葉をかけている。
「僕の人生が変わった馬。心からありがとうを伝えたい」と。

 ネオユニヴァースは種牡馬としても多くの名馬を輩出。その代表産駒の1頭、ヴィクトワールピサが有馬記念、ドバイワールドCを制した時、その背中にはミルコ・デムーロ騎手がいた。

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