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【2025クラシック番付 牝馬編】抜けた存在はいない? 番付外から下剋上あるか

text by 中西友馬

いよいよ牝馬クラシック戦線の桜花賞が近づいてきた。今回は、ライター・中西友馬(@FriendHorse46)が現時点での牝馬クラシック番付を作成。東西の横綱・大関・関脇・小結・前頭筆頭で計10頭をピックアップした。「なぜあの馬が入ってないのか?」などということもあるだろうが、そこは個人的な番付として、大目に見てほしい。さっそく、前頭筆頭の2頭から横綱まで順に紹介していく。また、東西は関東馬や関西馬というわけではなく、あくまで番付上の表記となっているので、その点もご承知おきいただきたい。

東・前頭筆頭 リンクスティップ
西・前頭筆頭 ヴーレヴー

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ヴーレヴー(写真左)とリンクスティップ(写真右)

 

 東の前頭筆頭として評価したのは、リンクスティップ。これまでデビューから3戦は全て牡馬相手の混合戦で、ほかの桜花賞出走予定馬とは一度も対戦したことがない馬。そのため比較としてはかなり難しいが、前走のきさらぎ賞で牡馬相手に2着。皐月賞でも有力馬に数えられるサトノシャイニングには3馬身の差をつけられたが、朝日杯FS3着馬のランスオブカオスに競り勝って、貴重な賞金加算に成功した。

 今年の3歳世代に関しては、未だ牡馬と牝馬の力関係が分からないが、例年に当てはめて考えれば、牡馬相手の重賞2着は十分評価できる。ただ、未勝利勝ちが2000mだったように、本質的には中距離馬。桜花賞に関しては、初のマイル戦の速い流れに対応できるかがカギとなる。初速で置かれて好位のポジションを取れなければ、新馬戦のように早めにまくる競馬は難しいだろう。逆に言うと、桜花賞で結果を残すことができるようなら、残り2冠に楽しみが広がる。

 そして西の前頭筆頭として評価したのが、ヴーレヴー。リステッド競走ながら、毎年のように素質馬が揃うエルフィンSの勝ち馬である。そのエルフィンSは、前半800m48秒0のスローペースを2番手で折り合い、直線抜け出す危なげない勝ちっぷり。道中1〜3番手で進めた馬が1〜3着を独占したレースで、展開に恵まれた面があることは否定できない。ただ逆に言えば、そんな緩い流れで3着以下を引き離したレースぶりは評価できるとも言える。

 デビュー戦の1200m戦から徐々に距離を延ばしてきた馬で、前走が初めてのマイル戦。しかもそれがスローペースだったため、タフな流れとなった時に対応できるかは未知数。ただ、こちらはリンクスティップと違って、距離適性の面から桜花賞に全力投球なのは明らか。ショウナンザナドゥ同様、これまで6戦と豊富なキャリアを誇るのは強みで、スタミナの問われない展開になれば、浮上の余地は十分に考えられる。

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