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JustinMilano
第84回皐月賞を制した時のジャスティンミラノ

⑤ジャスティンミラノ

 最後に取り上げるのは、2024年の皐月賞。この年の主役は、最初に取り上げたアグネスタキオンと同じく、屈腱炎によって競走馬生命が絶たれてしまったジャスティンミラノであった。ジャスティンミラノは、2歳11月に東京競馬場でデビュー。短期免許のマーカンド騎手とコンビを組み、のちの菊花賞2着馬ヘデントールを2着に下して新馬勝ちを収める。

 続く2戦目は、出世レースの共同通信杯。3戦3勝で朝日杯FSを制したジャンタルマンタルが3歳初戦を迎え、注目を集めていた。しかし、レース上がり33秒1という、超スローペースからの究極の瞬発力勝負を制したのは、ジャスティンミラノ。2歳王者を下して、デビューからの連勝を決めた。

 そして2戦2勝で迎えた皐月賞。1番人気は、皐月賞と同舞台のホープフルSを制していた、牝馬のレガレイラ。ジャスティンミラノが2番人気で続き、ジャンタルマンタルが3番人気。その後ろの人気も比較的僅差で続いており、割れた単勝オッズで発走を迎えた。

 レースは、大方の予想通りメイショウタバルがハナを切り、シリウスコルトが2番手を追走。ジャンタルマンタルはその直後につけ、ジャスティンミラノはジャンタルマンタルを見る位置で運ぶ。レガレイラは後方3番手あたりから進めていた。ハナを切るメイショウタバルはぐんぐんとペースを上げ、前半1000mの通過は57秒5というかなりのハイペース。後続を5馬身以上引き離す大逃げの形をとり、馬群はかなり縦長。しかし、4角手前から後続馬も徐々に差を詰め始め、メイショウタバルは脚が上がり始める。3番手にいたジャンタルマンタルが、早めに先頭へと並びかける形で4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入ると、強気に前を捕まえたジャンタルマンタルが、馬場の真ん中に持ち出して先頭。そのまま押し切るかに思われたが、残り100mを切ったあたりからさすがに苦しくなり、その後ろからジャスティンミラノとコスモキュランダが一気に差を詰める。ゴール前でジャンタルマンタルを交わしたジャスティンミラノが、コスモキュランダの追撃をクビ差凌いで勝利。ジャンタルマンタルはコスモキュランダから半馬身遅れた3着となり、レガレイラは上がり最速の脚で追い込むも、6着までとなった。

 勝ったジャスティンミラノは、デビューから3戦3勝での皐月賞制覇。超スローペースの共同通信杯から一転、超ハイペースとなった皐月賞でも勝利を挙げた。この世代を引っ張っていく存在となることが期待されたが、続くダービー2着を最後に、屈腱炎によって電撃引退。

 ちなみに、皐月賞で6着だったレガレイラはその後、古馬相手に有馬記念を制覇しており、世代レベルは決して低くないはず。競馬にタラレバは禁物だが、ジャスティンミラノも無事であれば、と思わずにはいられない。ただ、今年から種牡馬入りが発表されており、ジャスティンミラノの無念は、その子どもたちがきっと晴らしてくれるだろう。

このように、皐月賞を最後に勝利を挙げられなかった馬とひとくくりに言っても、その理由はさまざま。しかしその中でも、怪我によって引退を余儀なくされた馬が多いことが分かっていただけただろう。今年の皐月賞馬は、その後に大活躍をしても、未勝利であっても、大きな怪我なく無事に現役生活を全うできることを祈っている。

【了】

(文●中西友馬

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