HOME » コラム » 5選 » あまりにも「早すぎた」皐月賞馬5選。クラシック一冠後に勝利を挙げることができなかった名馬たち » ページ 4
Unrivaled
第69回皐月賞を制した時のアンライバルド

④アンライバルド

 ヴィクトリーの勝利から2年が経った、2009年の皐月賞。この年の戦前の見立ては、まさに3強対決。その中でも、頭ひとつ抜けた人気に推されていたのがロジユニヴァース。デビューから4戦4勝で、既に重賞を3勝。脚質の自在性もあり、前走の皐月賞TR弥生賞で中山コースも経験済み。非の打ち所がないと思われ、単勝オッズ1.7倍に推されていた。

 続く、単勝オッズ5.3倍の2番人気がリーチザクラウン。こちらは、ラジオNIKKEI杯でロジユニヴァースに4馬身という決定的な差をつけられたが、勝つときは常にワンサイドゲーム。3勝は全て、2着馬に3馬身以上の差をつけての圧勝であった。そして単勝オッズ6.1倍の3番人気は、伝説の新馬戦でリーチザクラウンに勝利し、デビュー勝ちを収めたアンライバルド。前走の皐月賞TRスプリングSでも勝利を収め、皐月賞に駒を進めていた。この3頭までが単勝オッズ10倍を切る人気に推され、発走を迎えた。

 レースは、ゴールデンチケットがハナを切り、アーリーロブストが2番手を追走。人気馬の中では、リーチザクラウンが一番前で好位の外め。それを見るようにしてロジユニヴァースが追走し、アンライバルドは中団後ろから進めていた。ペース自体は特段速いわけではなかったが、リーチザクラウンが早めに先行集団へと並びかけたことで、先行勢は苦しい展開。その動きに呼応するように、その後ろの馬たちもまくるように上がってきて、横に広がって最後の直線へと向かう。

 こうなると、流れは後方待機勢。外から一気に抜け出したのはアンライバルド。さらに後ろにいたトライアンフマーチとセイウンワンダーが併せ馬の形で追い上げてくるも、最後はみんな苦しくなって、アンライバルドが押し切っての勝利。1馬身半差の2着にトライアンフマーチが続き、半馬身差の3着がセイウンワンダー。いわゆるズブズブ決着となり、リーチザクラウンとロジユニヴァースは、それぞれ13着と14着に敗れた。

 勝ったアンライバルドは、続くダービーでは抜けた1番人気に推されたが、ロジユニヴァースの巻き返しに屈して12着に大敗。その後は2度の屈腱炎発症により、5歳秋に現役引退となった。正直、皐月賞までのレースぶりから、アンライバルドが皐月賞後にこんなに苦戦するとは予想できなかった。

 ただアンライバルドだけでなく、ダービー馬ロジユニヴァース、菊花賞馬スリーロールスと、この世代のクラシックホースはその後未勝利で現役を引退。どの馬も怪我によって引退を余儀なくされており、まさに「無事是名馬」を強く感じた世代であった。

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