
②ホエールキャプチャ
前述したカレンチャンの1年後輩ながら、カレンチャンより早く重賞戦線を賑わしていたのが、2008年生まれでクロフネ第6世代にあたるホエールキャプチャであった。こちらも父の毛色を受け継ぐ芦毛であったホエールキャプチャは、デビュー2戦目の芝1200m戦で初勝利を挙げると、続く芙蓉Sではのちのクラシック3冠馬オルフェーヴルを2着に下して連勝を飾る。
ファンタジーS3着を経て出走した阪神JFでは、断然人気のレーヴディソールに食い下がっての2着。2歳時から世代トップクラスの力を見せていた。3歳初戦のクイーンCで重賞初制覇を飾ると、絶対的な存在レーヴディソールが不在となった牝馬クラシック戦線を牽引する。結果としては桜花賞2着、オークスと秋華賞では3着と、あと一歩のところで牝馬クラシックのタイトルには手が届かなかったが、マイルからクラシックディスタンスまでソツなくこなした。
すると、G1制覇のチャンスは古馬になってすぐ巡ってくる。それが4歳時のヴィクトリアマイルであった。ヴィクトリアマイル連覇を目指す3冠牝馬アパパネが1番人気に推されていたが、好位のインでジッと我慢して直線抜け出す競馬でホエールキャプチャが勝利。嬉しいG1初制覇を飾った。
その後7歳まで息の長い現役生活を続けたホエールキャプチャは、G1ヴィクトリアマイルを含む重賞5勝を挙げて現役を引退。現役引退後は、繁殖牝馬として第2の馬生をスタート。ここまで目立った活躍馬は輩出できていないが、配合相手はオルフェーヴル、キングカメハメハ、ロードカナロア、キズナと錚々たるメンバー。これを見るだけでも千代田牧場の期待が見てとれる。
そして、現時点でデビューを控える牡馬2頭はともにエピファネイア産駒。千代田牧場の思いは結実するか、2頭のデビューが待ち遠しい。