
③マルシュロレーヌ
初年度産駒からラッキーライラックとエポカドーロを輩出したオルフェーヴル。そのひとつ下となる2世代目では、ダートで世界の頂点に立ったマルシュロレーヌも輩出した。
マルシュロレーヌは、3歳2月という遅めのデビュー。新馬戦は芝1600mで2着に惜敗すると、その後もなかなか勝ち切れないレースが続き、初勝利は未勝利戦が終わる直前の3歳8月。初勝利もやはり芝1800mで、この時点では一貫してマイル〜中距離の芝のレースを使われていた。その後、1勝クラスは2戦、2勝クラスは1戦で突破すると、3勝クラスの身ながら格上挑戦で重賞にもチャレンジしていた。
そんなマルシュロレーヌの転機となったのが、4歳秋の桜島S。芝でも3勝クラス突破間近でありながら、ここで初のダートに挑戦。そこでいきなり勝利を挙げると、続くレディスプレリュードで重賞初制覇。その後も交流重賞のタイトルを増やしていき、重賞初制覇から1年足らずで交流重賞4勝を挙げる活躍。
前年3着に敗れていたJBCレディスクラシックでG1級初制覇を目指すものだとばかり思っていたが、5歳秋の目標はなんと、本場アメリカのBCディスタフ。日本でのG1級勝利がない中チャレンジするだけでも英断だと思うが、挑戦するだけでなく本当に勝ってしまうのが、この馬と陣営のすごいところ。
6歳時のサウジCを最後に、現役を引退。現役引退後は繁殖牝馬として、第二の馬生をスタートさせた。そして、初仔となるドレフォン産駒の牝馬マルシュボヌールが、順調ならば今年デビュー予定。母と同じキャロットファーム所有で、こちらも母と同じ矢作厩舎預託予定となると、いやがおうでも期待がかかるというもの。
母の背中を追って、世界に羽ばたくような名牝になってもらいたい。