HOME » コラム » 競馬の基礎知識 » サンデーサイレンス産駒獲得賞金ランキング。「日本競馬に革命を起こした」産駒で最も賞金を稼いだのは? » ページ 10
Deep Impact
ディープインパクト引退式

1位 ディープインパクト(14億5,455万1,000円)

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性別:牡馬
戦績:14戦12勝 [12-1-0-1]
主な勝ち鞍:05年三冠、06年天皇賞・春(G1)、ジャパンカップ(G1)、有馬記念(G1)、宝塚記念(G1)
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 堂々トップに君臨したのは、父サンデーサイレンスの正当後継馬と言っても異論はないであろうディープインパクトである。2位のゼンノロブロイに獲得賞金3億円以上の圧倒的な差をつけた名競走馬にして、名種牡馬となった「不世出の名馬」であった。

 主戦の武豊騎手が「飛んでいる感じ」と評した走法で人々を魅了しただけでなく、ほぼ完璧な競走成績を残し、生涯で14億5000万円以上もの賞金を稼ぎ出した。

 2歳時の暮れ、04年にデビューしたディープインパクトは、強烈な末脚を駆使して勝利を収める。その圧倒的な強さを世間に知らしめたのは、3歳となって出走した年明け初戦の若駒S(OP)であった。絶望的な位置どりで直線を迎えるも、大外から悠々と差し切って5馬身差をつけた。

 ディープインパクトは当然、この年の日本競馬界を席巻することになる。弥生賞から始まり、牡馬クラシック三冠を圧巻の内容で総なめにすると、約6億円もの賞金を手に入れる。初めての古馬相手となった有馬記念では、国内で生涯唯一の黒星を喫することとなるのだが、それでも2着に入って賞金7000万円ほどを加算した。

 4歳時には海外の凱旋門賞で3位入線も後日に失格の憂き目にあい、賞金の上積みは果たせなかったが、天皇賞(春)、宝塚記念、ジャパンカップ、そして引退レースの有馬記念と国内ではまったく隙のない走りで連戦連勝を飾り、この年に7億7000万円の賞金を稼ぎ出した。

 獲得賞金や種牡馬としての功績は、父サンデーサイレンスにも引けを取らない偉業であるが、それ以上にディープインパクトは競馬の価値観そのものを変えた。彼が国内における競馬の見方を、ギャンブルからスポーツエンターテインメントへと昇華させた存在だったことも忘れてはならない。

【了】

(文●TOM

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