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【G1未勝利馬獲得賞金トップテン】G1級レース未勝利でも……多くのファンに愛された賞金王は誰だ!

text by TOM

競走馬の一生において、G1タイトルを手にする馬はごくわずか。その舞台に立つこと自体が難しく、勝つには実力だけでなく運も必要だ。現役最終戦でG1制覇を果たしたステイゴールドのような例もあるが、ほとんどの馬が勝てずに引退していく。今回はそんなG1未勝利馬で獲得賞金ランキングのトップ10に入った馬たちを紹介する。

AirShady
エアシェイディ

10位 エアシェイディ(5億7830万2000円)

性別:牡馬
戦績:37戦7勝 [7-10-5-15]
主な勝ち鞍:08年AJCC(G2)

 エアシェイディは、父がサンデーサイレンス、母はG3クイーンSを勝ち、牝馬3冠レースすべてで3着以内に好走したエアデジャヴーという血統の馬。全妹に秋華賞勝ちのエアメサイアがいるほか、近親にはクラシック2冠のエアシャカールやG2デイリー杯2歳Sの覇者エアスピネル、G2毎日王冠などを勝ったエアソミュールなど、多くの活躍馬が名を連ねる。

 2003年11月のデビュー戦では2着だったが、2戦目の未勝利戦、ホープフルS(OP)を連勝して将来を嘱望された。だが骨折があり春のクラシック路線には乗れず、復帰は9ヶ月後のG2セントライト記念(6着)まで待つことになった。その翌年も再び骨折し、一年間の休養を余儀なくされたが、その後は10歳まで現役を続け、通算37戦を走り抜いた。毎年重賞で好走するタフネスぶりを発揮し、コンスタントに賞金を加算した。

 エアシェイディが初めて重賞を制したのは、7歳となったの1月のことだった。G3中山金杯で2着に入った後、続くAJCCでは豪快な差し切り勝ちを決めで、1着賞金6000万円を手にした。本格化を迎えたその年、G1安田記念では4着、天皇賞(秋)では5着に好走し、迎えたG1有馬記念。勝ち馬のダイワスカーレットをはじめ並み居る強豪を相手に、単勝36.1倍の10番人気ながら3着に食い込み、賞金4500万円を上積みした。

 翌年、G1ジャパンCで5着した後に臨んだ有馬記念でも、単勝32.0倍の11番人気と低評価ながら見事3着に入り、再び4500万円を加算した。翌年5月のG1天皇賞(春)後に骨折が判明。その後も復帰を目指して調教するが、11年5月に左前浅屈腱不全断裂により現役生活に終止符を打った。現役引退後は、韓国で種牡馬入りを果たした。

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