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ハーツクライ産駒獲得賞金ランキングトップテン。晩成型の多い産駒たち。父としても晩年に最高傑作を輩出

text by 目白明

国内で唯一、ディープインパクトを破った名馬・ハーツクライ。その産駒たちは、類まれな成長力を誇り、古馬になってからも数々のビッグレースで輝きを放ってきた。今回は、そんなハーツクライ産駒の中で獲得賞金が最も多かった馬をランキング形式で紹介する。

FameGame
第131回目黒記念を制したフェイムゲーム

10位 フェイムゲーム(4億1,849万円)

 フェイムゲームはすべての勝ち鞍が2000m以上で、3400mのダイヤモンドステークスを3勝したハーツクライ産駒随一のスタミナ自慢だ。

 3歳時には京成杯で重賞初勝利を挙げ、クラシック戦線に名乗りを上げた。しかし、皐月賞に出走後、骨折が判明し、全治6か月の診断を受ける。残りのクラシック出走は叶わず、年末に復帰したものの着外に沈んだ。それでも京成杯の勝ち鞍で約4000万円を獲得した。

 明け4歳のアメリカジョッキークラブカップでは差のない3着に好走。続くダイヤモンドステークスでは、残り400m付近から先頭に立ち、2着に1馬身半差をつけ快勝。約1年ぶりの重賞2勝目を飾った。長距離路線に活路を見出すと天皇賞(春)に挑戦。結果は6着に終わったものの、長距離ならトップクラスでも戦えることを感じさせた。その後、連敗が続くもアルゼンチン共和国杯では2馬身半差の完勝。この年は重賞2勝を挙げ、約1億円を獲得した。

 5歳時にはダイヤモンドステークス連覇を達成。続く天皇賞(春)では、ゴールドシップ相手に残り100mで外から猛追し、クビ差の2着。持ち前のスタミナが、G1の舞台でも通用することを証明した。さらに、この年はオーストラリア遠征を敢行。コーフィールドカップ、メルボルンカップともに着外に終わったが、精神面の成長が見られたシーズンとなり、約1億円を獲得した。

 6歳シーズンは、ダイヤモンドステークスで惜しくも3連覇を逃す。しかし、7歳時には目黒記念で1着、ステイヤーズステークスで2着と奮闘。長距離重賞で約9000万円を稼ぎ、衰え知らずのスタミナを見せつけた。迎えた8歳シーズン、フェイムゲームは4度目のダイヤモンドステークスに出走。中団で脚を溜め、直線で抜け出すと、3度目の同一重賞制覇という快挙を成し遂げた。

 勝った重賞はすべて2000m以上、古馬になってからは2500m以上という記録を打ち立てたフェイムゲーム。G1獲得はできなかったものの、ハーツクライ産駒随一のスタミナ自慢は4億円を超える賞金を稼いだ。

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