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【12/7-8新馬戦】またシニミニ産駒からダートの大物誕生か? グランドプラージュら2頭がデビューV

text by 中西友馬

Grande Plage

 先週の中央競馬は、中山・京都・中京の3会場で行われ、新馬戦は10鞍行われた。

 7日(土)の京都ダート1800mでは、シニスターミニスター産駒のグランドプラージュがデビュー戦を勝利で飾った。また、8日(日)の京都ダート1400mでは、おなじくシニスターミニスター産駒のヤマニンバロネスが2着に8馬身差をつけ快勝している。デビュー戦その他の新馬戦を含めて全レースをダイジェストで紹介する。

12/7(土)
【中山】

5R 芝1600m
馬名:ギフテッド(牝)
父:モーリス
母:ルパン2
母父:メダグリアドーロ
騎手:菅原明良
厩舎:武井亮(美浦)
馬主:谷川牧場
生産:谷川牧場
勝ち時計:1.36.7(良)
五分のスタートから好位の外めを確保。3〜4角の中間あたりで一気に馬群が凝縮して、前の争いも5頭ほどが横並びで直線へと向かう。直線に入って残り200mあたりでその横並びの争いから抜け出すと、内外から迫る2.3着馬の追撃をしのいで勝利。レースセンスの良さは操縦性の高さは感じたが、時計面は強調できるものではなかった。半兄に重賞馬が2頭もいる良血馬なので、今後の伸びしろに期待したい。

6R ダ1800m(牝)
馬名:タマモカンパネラ(牝)
父:ナダル
母:タマモボレロ
母父:ハーツクライ
騎手:戸崎圭太
厩舎:伊藤圭三(美浦)
馬主:タマモ
生産:前田牧場
勝ち時計:1.56.9(良)
スタートはあまり速くはなかったが、二の脚がついて好位の外めまで上がっていく。前半1000mの通過は63秒9と、新馬戦にしては平均〜やや流れているようなペースで進む。3角辺りから鞍上の手は動いていたが、直線に入ると楽な感じで先頭に立った1番人気馬に並びかける。残り250m辺りで先頭へと抜け出すと、勢いよく外を伸びてきた2着馬の追撃を振り切って勝利。多少ズブさは見えたが、追えば追うだけ伸びるようなタイプ。上がりの速いレースより、今回のような上がりのかかる決着に強そうだ。

【京都】

5R 芝1200m
馬名:ガンマジーティーピ(牡)
父:カレンブラックヒル
母:ダームドゥラック
母父:シンボリクリスエス
騎手:武豊
厩舎:渡辺薫彦(栗東)
馬主:重野心平
生産:オリエント牧場
勝ち時計:1.09.7(良)
五分のスタートから好位の外めを追走。3着馬が後続を引き離す逃げを打つ中、3頭で形成する2番手グループの外で直線へと向かう。直線に入ると、2着馬と併せ馬の形で逃げ馬との差を詰め、残り100m辺りで先頭に立って押し切った。馬名で注目を集めがちだが、全姉に総賞金1億円超のラヴケリーがいる血統。この馬も、ゆくゆくは芝・ダート二刀流のスプリンターとなる可能性も十分だ。

6R ダ1800m
馬名:グランドプラージュ(牡)
父:シニスターミニスター
母:ベルプラージュ
母父:キングカメハメハ
騎手:川田将雅
厩舎:杉山晴紀(栗東)
馬主:G1レーシング
生産:追分ファーム
勝ち時計:1.53.6(良)
五分のスタートから、外枠からでもスピードの違いで前へと上がっていく。道中は2頭並走の形でハナを切り、前半の1000mは63秒8とほぼ平均ペース。4角では外から単独先頭へと変わり、直線へと向かう。その後ろから2着馬が追ってきて一騎打ちの様相となるが、最後まで並ばせることなく勝利。前の2頭と3着以降に大差のつくレースとなった。勝ち時計も翌日の古馬1勝クラスを上回るもので、2着のロッシニアーナとともに今後が楽しみな存在だ。

【中京】

5R ダ1400m
馬名:トゥロン(牝)
父:ナダル
母:スパイラルステップ
母父:シンボリクリスエス
騎手:西村淳也
厩舎:佐々木晶三(栗東)
馬主:吉田勝己
生産:社台コーポレーション白老ファーム
勝ち時計:1.25.2(良)
芝スタートはあまり速くなかったが、ダートに入ってから巻き返して好位のインコースを確保。新馬戦にしては淀みのない流れで進み、馬群はかなり縦長。
直線に入ると先行勢の外めへと出し、2着馬と併せ馬の形で伸びてくる。勢いは外の2着馬が上回っていた感じにも見えたが、最後までしぶとく伸びてクビ差先着した。
半兄に今年の兵庫CSを制したエートラックスのいる血統馬。500キロを優に超える好馬体の持ち主で、まだまだ伸びしろがありそうだ。

12/8(日)
【中山】

5R 芝1800m
馬名:バースライト(牡)
父:モーリス
母:エリティエール
母父:ディープインパクト
騎手:浜中俊
厩舎:武幸四郎(栗東)
馬主:キャロットファーム
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:1.49.4(良)
ゲートを出てからの行き脚が鈍く、序盤の位置どりは中団辺り。向正面で押してポジションを上げていき、好位の外めまで浮上する。そこからもほかの馬より早めに手が動いていたが、4角では先頭集団の外まで上がって直線へと向かう。直線では、残り100m辺りでねじ伏せるように先頭へと立つと、そのまま押し切って勝利。かなり距離ロスがありながら勝ち切った内容は、まさに能力の高さがなせる業。ズブさは少し気になったが、長く良い脚を使えるので、距離はもっと長くても問題なさそうだ。

6R ダ1800m
馬名:ミツカネリブラ(牡)
父:シルバーステート
母:ハワイアンスマイル
母父:キングカメハメハ
騎手:菊沢一樹
厩舎:清水英克(美浦)
馬主:小山田満
生産:風ノ丘ファーム
勝ち時計:1.58.3(良)
五分のスタートから、中団外めを追走。ペースとしては、前日の新馬戦と全く同じ63秒9で前半1000mを通過。徐々に番手を上げて、3番手で直線へと向かう。直線は、どの馬も脚が上がっての消耗戦。先に抜け出した2着馬を追いかけてジリジリ迫ると、クビ差交わしたところがゴール。レース上がりは前日の新馬戦より1秒以上遅い41秒6かかっており、前半1000mが同じだったことを考えると物足りない内容。もう少し成長がないと、上のクラスでら苦戦を強いられるか。

【京都】

4R ダ1400m(牝)
馬名:ヤマニンバロネス(牝)
父:シニスターミニスター
母:ヤマニンバステト
母父:ディープインパクト
騎手:武豊
厩舎:千田輝彦(栗東)
馬主:土井肇
生産:錦岡牧場
勝ち時計:1.26.6(良)
五分のスタートから、スッと好位の外めを確保。4角では先行集団の一番外で前を窺うポジションにつけると、直線に入って残り300m辺りで、早めに逃げ馬を交わして先頭へと躍り出る。そこからは後続を突き離す一方で、最後は2着馬に8馬身の差をつける圧勝劇。インパクトはかなり強い勝ち方であったが、時計的には同日の2歳未勝利より1秒以上遅いもの。メンバーレベルに疑問が残る部分はあり、次走が試金石となる。

5R 芝1800m
馬名:エリカアンディーヴ(牝)
父:オスカーパフォーマンス
母:ゴーイングデイ
母父:デイラミ
騎手:松山弘平
厩舎:吉岡辰弥(栗東)
馬主:三木正浩
生産:P. Headley, Nancy Bell & NATO(米)
勝ち時計:1.50.4(良)
大外枠から好スタートを決めると、スッと好位の外につける。前半1000mの通過は63秒9とかなりゆったりとしたペースで流れ、遅れた1頭を除いて馬群は一団。その隊列のまま直線へと向かうと、上がりの速い瞬発力勝負となる。残り100mからは内を抜けてきた2着馬との追い比べになるも、最後は外からねじ伏せるように半馬身先着。オスカーパフォーマンスの産駒はJRA4頭目の出走で、4頭中3頭目の勝ち上がり。3頭ともに芝中距離で勝利している。この馬も、外国産馬にしてはパワーより切れ味で勝負するタイプのようだ。

【中京】

5R 芝2000m
馬名:エムズ(牡)
父:ドゥラメンテ
母:ライフフォーセール
母父:ノットフォーセール
騎手:荻野極
厩舎:池江泰寿(栗東)
馬主:エムズレーシング
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:2.03.9(良)
五分のスタートから、好位のポジションを確保。抜群の手ごたえで先行集団に並びかけて直線を迎えると、残り250m辺りで先頭へと抜け出す。最後は、道中最後方に待機していた2着馬が外から強襲してきたが、その追撃をしのいで勝利。着差以上に余裕のある勝ち方で、単勝1.3倍という断然の1番人気に応えてみせた。スローペースで勝ち時計は平凡の域を出ないが、ゴールに向けて加速しているラップは優秀。半姉に阪神JFを制したダノンファンタジーのいる良血馬で、上のクラスでも通用可能の器だ。

【了】

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