コントレイルやイクイノックスなど! 名だたる名馬輩出の超出世レース【東スポ杯2歳S 名勝負5選】
1966年に東京3歳ステークスの名で創設され、府中3歳ステークスを経て、1997年に現在の「東京スポーツ杯2歳ステークス」という名称となった。1996年からG3格付けされ、第1回の開催となった。施行条件はその時から変わらず、11月の東京芝1800m。2021年にはG2へと昇格し、年末の2歳G1や翌年のクラシックに向けた重要なステップレースに位置づけられている。そんな東京スポーツ杯2歳ステークスの歴史の中から、印象的な5つのレースをピックアップして紹介する。
①2007年(勝ち馬フサイチアソート)
最初に取り上げるのは、2007年の東京スポーツ杯2歳ステークス。
この年の1番人気はゴスホークケン。アメリカ産馬のゴスホークケンは新馬戦を勝利したばかりではあるが、今回と同じ東京コースで断然人気に応えて勝利。好位から上がり最速の脚で2馬身半差の快勝と内容も良く、素質を評価されての1番人気であった。
2番人気はダンツキッスイ。こちらは阪神の新馬戦を3馬身半で快勝後、萩Sでも2着に好走。2戦ともにハナを切っており、まだキャリア2戦で脚質も定まっていない部分はありながら、展開のカギを握る存在に見られていた。
3番人気はスズジュピター。この馬は新馬戦とダリアSを勝利している2戦2勝馬。ただ、どちらも新潟千四が舞台で、東京千八への舞台変わりに対応できるかがカギと見られていた。この3頭までが単勝5倍を切る人気に推され、発走を迎えた。
レースは、戦前の予想通りにダンツキッスイがハナを切り、メジロガストンが2番手につける。好ダッシュを決めたゴスホークケンはその後ろの好位を確保し、スズジュピターは中団後ろの外めを追走する形となった。
ダンツキッスイは引きつけるというよりは後続にも脚を使わせる逃げを打ち、2歳戦にしては比較的ペースは流れた。馬群も縦長のまま4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線に入ると、ダンツキッスイのリードは一気に詰まり、横に広がっての争い。その中からゴスホークケンが抜け出しを図るが、その外からスマイルジャックとスズジュピターが一気に交わしての追い比べ。この2頭で決まるかに思われたが、ゴスホークケンとこの2頭の間を突いて伸びてきたのがフサイチアソート。
残り100mで2頭を一気に差し切って勝利。1馬身差の2着にスズジュピターが入り、ハナ差の3着がスマイルジャックとなった。勝ったフサイチアソートは、新馬戦からの連勝で重賞初制覇を飾った。単勝9番人気の伏兵ながら、鮮やかな差し切り勝ちであった。
そしてこの勝利は、管理する岩戸調教師にとっての重賞初制覇であり、さらに鞍上の横山典騎手の年間100勝目でもあった。さらに関口房朗オーナーにとっては、一昨年のフサイチリシャール、前年のフサイチホウオーに次いで、同レース3連覇の偉業達成を飾る勝利であった。
フサイチアソート自身は、その後平地レースで勝利を挙げることはできなかったが、3着のスマイルジャックはダービー2着、4着のゴスホークケンは朝日杯FSを勝利、5着のタケミカヅチは皐月賞2着と、その後も活躍を見せた。