川田将雅に初G1をもたらしたキャプテントゥーレなど! GⅠ馬の登竜門【デイリー杯2歳S 名勝負5選】
1966年に創設され、すでに50回以上の歴史があるデイリー杯2歳ステークス。現在は11月に行われており、朝日杯FSや阪神JFの重要なステップレースとなっている。施行条件はさまざまな変遷を経た結果、1997年からは第1回と同じく京都芝1600mで行われている。歴代で多くのGⅠ馬を輩出しているデイリー杯2歳ステークスの中から、5つのレースをピックアップして紹介する。
①2007年(勝ち馬キャプテントゥーレ)
最初に取り上げるのは、2007年のデイリー杯2歳ステークス。この年は確たる主役が不在で、7頭が単勝10倍以下と、オッズもかなり割れていた。
そんな中での1番人気はマリエンベルク。2戦目での勝ち上がりだったが、後方から上がり最速での差し切り勝ちと、2歳馬離れしたレースであった前走が評価されていた。僅差の2番人気はオースミマーシャル。こちらも2戦目で勝ち上がった後は、新潟2歳Sに挑戦。そこでは13着と大敗したものの、仕切り直した野路菊Sを快勝。2勝馬としてここに出走していた。
そして3番人気がキャプテントゥーレ。母は阪神牝馬Sを制しているエアトゥーレ、姉のアルティマトゥーレも後の重賞2勝馬という良血馬で、新馬戦から単勝1.8倍という断然人気に推されるも8着。2戦目で勝ち上がるも、続く野路菊Sではまたも1番人気に応えられず、オースミマーシャルの3着と敗れていた。デビューから3戦は武豊騎手が手綱を執っていたが、今回は初騎乗となる川田騎手で臨んでいた。
レースは、インステップキックがハナを切り、キャプテントゥーレはその直後の2番手を追走。オースミマーシャルは好位の後ろから進め、マリエンベルクは後方で脚をためていた。ペースは平均ややスローで流れ、4角を回って最後の直線へと向かう。
直線は横に広がっての追い比べとなるが、残り300mでキャプテントゥーレが2番手から抜け出す。内外から後続が追いすがるも、どの馬も同じような脚いろで差が詰まらない。ゴール前で大外から強襲したタケミカヅチが2番手へと上がるも、キャプテントゥーレが押し切って勝利。タケミカヅチからクビ差遅れた3着には、ウイントリガーが入った。
勝ったキャプテントゥーレはその後、朝日杯FS3着、弥生賞4着を経て、7番人気で迎えた皐月賞を勝利。G1初制覇を飾るとともに、鞍上の川田騎手にとっても初のG1タイトル奪取となった。ちなみに、その皐月賞の2着はタケミカヅチで、この時のデイリー杯2歳ステークスのレベルの高さを示す結果となった。