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GI 菊花賞のデータ分析【レースレコード|過去の結果 -1980年以降 】

菊花賞は、京都競馬場の芝3000メートルで行われる3歳牡馬・牝馬が出走可能なGⅠ競走。皐月賞、東京優駿(日本ダービー)に続く「牡馬クラシック三冠」の最終戦に位置付けられる。長距離戦だけに豊富なスタミナが求められるのはもちろんだが、勝ち切るためにはスピードも不可欠。将来の活躍馬を占う、伝統と格式を誇る重要な一戦である。

2023年菊花賞を制したドゥレッツァ
2023年菊花賞を制したドゥレッツァ

■過去10年間のデータ(2015年~2024年)

◯1番人気の成績

勝率:30%
連対率:30%
複勝率:60%

 過去10年のデータによると、1番人気馬の勝率は30%で、3頭が勝利している。勝ち馬はサトノダイヤモンド(2016年)、キセキ(2017年)、コントレイル(2020年)で、いずれも他のG1レースでも活躍した実力馬だった。

 一方で1番人気に支持されながら敗れたケースもあり、ブラストワンピース(2018年4着)、レッドジェネシス(2021年13着)、ガイアフォース(2022年8着)、ダノンデサイル(2024年6着)が挙げられる。距離適性や展開に左右される傾向も見られる。

 また、過去10年間で、1~3番人気の馬がすべて馬券圏外に沈んだ年はない。総じて、1番人気の信頼度は決して低くはないが「絶対」ではなく、スタミナとペース適応力を兼ね備えた馬の選択が重要となる。

◯三連単の配当傾向

平均値:94,214円
中央値:34,445円
最高値:559,700円(2017年 1着キセキ)
最低値:8,740円(2020年 1着コントレイル)

 過去10年の三連単の中央値は3万円台で、それほど高い結果にはなっていない。だが、2017年のキセキが制した不良馬場決着では50万超えの高配当が出ている。

 また、三連単が1万円を下回ったのは一度だけであり、人気上位馬だけで決まる「堅い決着」はほとんど見られない。

◯走破タイム傾向(※重・不良を除く)

平均タイム:3分04秒3
最速タイム:3分02秒4(2022年・阪神・良 1着アスクビクターモア)
最遅タイム:3分06秒1(2018年・良 1着フィエールマン)

 京都・阪神いずれの開催でも、良馬場では3分2秒台~3分5秒台が主流である。 とくに2022年は阪神開催で、アスクビクターモアが高速馬場を味方につけて勝利した。

 直近の2024年、アーバンシックが勝利したレースでは、3分04秒1も平均的な水準だったが、前日の雨の影響から馬場が完全に回復したわけではなかった。

 3000mという長丁場ながら、近年はペースが上がる傾向にあり、スピード持続力+瞬発力の両立が求められる一戦となっている。

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