引退まで見届けたい…中央で走る名種牡馬の“ラスト産駒”(1)最後の1頭に宿る父の面影

昨年秋、中央競馬で走っていたステイゴールド最後の産駒、マイネルヴァッサーが引退した。ステイゴールドは、オルフェーブルやゴールドシップなどG1馬を多数輩出し、引退後も人気を博した種牡馬であった。そこで今回は、中央で走る産駒が残り1頭となった種牡馬を5頭厳選。種牡馬としての実績とともに、ラストクロップの現在地を紹介する。今回は1頭目。
①グラスワンダー
代表産駒:アーネストリー、スクリーンヒーロー
1頭目は、昨年8月に30歳でこの世を去ったグラスワンダー。同期にスペシャルウィークとエルコンドルパサーがいた最強世代の1頭で、現役時代はグランプリ3連覇を含むG1・4勝を挙げた名馬である。
2001年から種牡馬として供用され、早くからオースミグラスワン、サクラメガワンダーなどの重賞ウイナーを出した。3年目産駒のスクリーンヒーローはジャパンCを制覇し、4年目産駒のアーネストリーが宝塚記念を、5年目産駒のセイウンワンダーが朝日杯FSを制するなど、活躍馬を多数輩出した。
繋養場所を社台スタリオンステーションからブリーダーズ・スタリオン・ステーションに移して以降はやや成績を落としたが、2020年まで何と20シーズンも種牡馬生活を全うした。2021年に生まれたファイナルワンダーという牡馬が文字通りラストクロップとなった。
川崎に所属するファイナルワンダーは今も現役で走っているが、JRAに登録されているグラスワンダー産駒は残り1頭。それが8歳牡馬のマイネルエニグマだ。
マイネルエニグマの母はフィリーズレビューとローズSを勝ったマイネレーツェルで、その産駒には中央・地方合わせて79戦したマイネルネーベルや同60戦のマイネルブロッケンらがいる。
その弟にあたるマイネルエニグマは、8歳を迎えたが、昨年末のサンクフルS(3勝クラス)で2着に入るなど、オープン入りも狙える位置にいる。JRAでの生き残りをかけて、兄2頭に匹敵する息の長い活躍を見せてほしいところだ。
【了】
【著者プロフィール:中川大河】
競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。「日刊SPA!」「SPAIA競馬」などで記事を執筆中。
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