【東大流・GⅠ二者択一|有馬記念】ダノンデサイルvsレガレイラ 買うべき馬はどっち?

東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが人気馬2頭のうち、真に「買うべき馬」はどちらかを見極める「東大流・GⅠ二者択一」。
今回は有馬記念(GⅠ・中山芝2500m)が対象。ジャパンC3着から参戦するダービー馬ダノンデサイルと連覇を狙う牝馬レガレイラの対決に焦点を絞って、「能力評価」と「レース条件評価」の両面から徹底検討する。[1/3ページ]
◆真に「買うべき馬」はどっち?
【能力評価】
ダノンデサイルは昨年の日本ダービー馬。当時は内有利馬場のスローペースでラチ沿いの好位を取って展開利もあったが、ほぼ隣にいたジャスティンミラノにも自力で2馬身差を付けた。後半5F56.8秒のレースラップは東京芝2400m戦の史上最速。決してフロックではない、強い勝ち方だ。
菊花賞は内枠が祟り、完全に包囲されたまま前が下がってきてジエンド。有馬記念は逃げて3着(詳細は後述)。AJCCを順当に勝つと、ドバイシーマクラシックではカランダガンを撃破した。
インターナショナルSは発走前にテンションが上がりすぎたようで参考外。ジャパンCはレコード決着の上位2頭には差を付けられたが、こちらも初角と3角でそれぞれ不利を受けながら3着と崩れなかった。現役の日本馬でトップクラスの能力がある。
対するレガレイラは昨年の有馬記念覇者。宝塚記念は骨折明けと道悪の影響かさっぱり振るわなかったが、秋はオールカマーとエリザベス女王杯を連勝してきた。
ただしオールカマーは2着ドゥラドーレスが重賞未勝利馬、3着ヨーホーレイクはジャパンCで(ダノンデサイルから1.9秒離された)14着。エリザベス女王杯は重賞未勝利のリンクスティップ、ココナッツブラウン、パラディレーヌが2~4番人気を形成したように、GⅠとしてはメンバーレベルが低かった。正直、あの相手なら勝って当然と言うべきだろう。
両者が直接対決した昨年の有馬記念を振り返る。当時は外有利のトラックバイアスで、1000m通過62.8秒のスローペースながら、残り1000mから11.3-11.4-11.6-11.5-12.1という明らかに早仕掛けのラップ構成。ラスト1Fでダノンデサイルとベラジオオペラが鈍ったところに一列後ろからレガレイラとシャフリヤールの差しが届いた。
終始伸びない内を通り、まだ1000mもある地点から最速ラップの11.3を踏んだダノンデサイルの競馬はキツく、あれで着差0.2秒ならむしろ内容的にはこちらが強かった。
よって能力評価ではダノンデサイルを上位とする。



