HOME » コラム » 5選 » 【フォーエバーヤングの名レース6選】なぜ世界を制することができたのか?日本競馬界の至宝の軌跡

【フォーエバーヤングの名レース6選】なぜ世界を制することができたのか?日本競馬界の至宝の軌跡

text by 中西友馬
2025年BCクラシックを制した時のフォーエバーヤング(Photo by Sean M.Haffey/GettyImages)
2025年BCクラシックを制した坂井瑠星騎手とフォーエバーヤング(Photo by Sean M.Haffey/GettyImages)

2025年は日本競馬史に、またひとつ大きな金字塔が打ち立てられた。フォーエバーヤングが、日本馬として史上初となるブリーダーズカップ・クラシック制覇という快挙を成し遂げたのである。そこで今回は、フォーエバーヤングのキャリアから象徴的な6レースをピックアップ。世界の頂点へと駆け上がるまでの軌跡を振り返る。[1/6ページ]

——————————

①サウジダービー

 最初に紹介するレースは、フォーエバーヤングの海外デビュー戦となった2024年のサウジダービー。

 デビューから3戦3勝で全日本2歳優駿を勝利したフォーエバーヤングは、3歳シーズン初戦として、セットアップ、サトノフェニックスとともに、サウジカップデーに行われるサウジダービーへと出走することとなる。

 日本の競馬ファンも、正直まだフォーエバーヤングの強さが歴代のダートの名馬たちと比較して、どの程度のものなのか分からない中での一戦であった。

 レースは、ハーイートがハナを切る展開。注目のフォーエバーヤングはスタートの出はあまり良くなかったが、すぐさま巻き返して中団の外めへと取りつく。前は、逃げるハーイートを交わして、3角入り口あたりでセットアップとベントルナートが前へと変わり、一気にペースが上がる。

 フォーエバーヤングもそれに合わせて鞍上の坂井瑠星騎手が早めのアクションでポジションを上げていく。好位集団の大外まで浮上して4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入るとすぐに、セットアップを交わしてベントルナートが先頭へと立つ。その後ろからブックンダンノが追い、フォーエバーヤングはその後ろの3番手。前の2頭からは少し離されてしまう。

 残り300mあたりでブックンダンノが先頭へと立つも、残り200mを切ったあたりでフォーエバーヤングのエンジンが点火。離れた外からジワジワと差を詰め始め、ゴール前では内外離れてほぼ並んだままで入線。スロー映像を見ると、フォーエバーヤングがアタマ差でキッチリと捕まえていた。

 勝利したフォーエバーヤングは、これでデビューから4戦4勝。3歳初戦も勝利で飾り、無敗のままドバイの地へと向かうことになった。

1 2 3 4 5 6