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【敗戦の本質 朝日杯FS ・有力馬の採点】カヴァレリッツォやダイヤモンドノットなどを徹底分析

text by 中西友馬
2025年朝日杯FSを制した時のカヴァレリッツォ(写真右)2着ダイヤモンドノット(写真左)
2025年朝日杯FSを制した時のカヴァレリッツォ(写真右)2着ダイヤモンドノット(写真左)

12月21日(日)に行われた朝日杯フューチュリティステークスでは、2番人気のカヴァレリッツォが優勝を飾った。では、優勝馬を含む各馬の走りはどう評価できるのだろうか。今回はレースを終え、注目すべき3頭を取り上げ、「パフォーマンス」「舞台適性」「今後の伸びしろ」の三つの観点から、それぞれを点数化していく。[1/2ページ]
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注目馬3頭の採点

カヴァレリッツォ

着順:1着(2番人気)
パフォーマンス:10
舞台適性:9
今後の伸びしろ:9

 スタートはあまり速くなく、前走よりも後ろの位置どりとなる中団からの競馬。常に外を回らないように、距離ロスを極力少なくしながら進めていき、直線に入って内ラチが切れた瞬間に鞍上のC.デムーロ騎手は最内へとエスコート。2番手以下の集団から抜け出すと、最後は逃げるダイヤモンドノットを捕らえて勝利。

 馬の強さはもちろんのことながら、今年JRAでの G1初制覇とはなったが、C.デムーロ騎手の見事な手綱捌きも目立っていた。やはり短期免許でありながら、前走に続いて継続騎乗ができたことも大きかったように思える。

 その前走では、先に抜け出したことで目標となってしまったが、今回はその教訓を生かして、逃げ馬を目標にしての差し切り勝ち。今回は重馬場だったが、上位人気5頭が掲示板を独占したように、雨の巧拙によって差がついたようには思えない。

 血統面からも、少なくとも中距離までは問題なくこなすと思われ、当然のことながら、来年のクラシック戦線の主軸となってくるはずの馬である。

ダイヤモンドノット

着順:2着(5番人気)
パフォーマンス:9
舞台適性:10
今後の伸びしろ:7

 好ダッシュから内枠勢を抑えてハナを切る。この馬自身、常に先行する競馬をしてはいたが、逃げる競馬は初めて。前半4F46秒4-後半4F46秒9というミドルペースを作り出し、ゴール前まで粘りに粘った。

 例年軽視されがちな京王杯2歳ステークス組ということで5番人気に甘んじてはいたが、初の1600mも問題なくこなし、勝利まであと一歩まで迫った。

 やはりこの馬の強みは、現時点での完成度とレースセンスの高さ。今回がキャリア6戦目であり、上位人気馬の中では最多。二の脚が速いことで常に良いポジションが取れ、直線を向いたときに必ず勝負圏内にいる。

 今回はそれに加えて、ルメール騎手のペースメイクも光った。あれ以上遅くても切れ負けするし、あれ以上速くても息切れしてしまう。この馬にとって理想的なペースを作り出していた。

 今後のローテーションは難しいが1200m戦デビューということもあり、皐月賞→NHKマイルカップ路線となる可能性が高そう。スピードに関しては、現時点で2歳馬最上位と見ることもできそうであり、ローテーションも含めて今後が楽しみである。

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