【有馬記念5傑】年の瀬のグランプリに刻まれた“まさか”の瞬間…「これはびっくり!」なランキングとは?

今年の有馬記念はフルゲート16頭に対して、22頭が登録。強い3歳世代のマスカレードボールやクロワデュノールらは登録を見送ったが、連覇を狙うレガレイラや、昨年のダービー馬ダノンデサイルなど楽しみなメンバーが集まった。
昨年は5番人気のレガレイラが勝利を収め、10番人気のシャフリヤールが2着。2番人気のダノンデサイルが3着に入り、三連単は19万円超えの高配当だった。今年も上位人気馬が安泰というわけではなく、波乱の目を期待するファンも多いだろう。
そこで今回の企画では、1990年以降の有馬記念で3着以内に入ったのべ105頭のうち、単勝オッズが高かった(人気が低かった)5頭をランキング形式で紹介していく。[1/5ページ]
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第5位 2002年タップダンスシチー
2着(13番人気、86.3倍)
2002年の有馬記念で注目されたのが、デビューから無傷の6連勝を飾り、グランプリに駒を進めてきた3歳牝馬のファインモーションだった。強力な先行力を武器に、秋華賞→エリザベス女王杯を快勝し、堂々の1番人気に推された。
2番人気は同じく3歳馬のシンボリクリスエス。こちらは2走前の天皇賞・秋で古馬を一蹴。前走のジャパンCは外国馬2頭に先着を許したものの、有馬記念ではファインモーションと3番人気ジャングルポケットとともに3強を形成した。
レースでは中団6番手を進んだシンボリクリスエスが最後の直線で強烈な末脚を繰り出して勝利を収めた。一方で、ファインモーションは道中で掛かり気味に先頭に立ってしまうなど、ややチグハグな競馬。最後の直線を向いたときにはすでに余力が残っておらず、6着に沈んだ。
そのファインモーションからレース半ばに主導権を奪ったのが、13番人気(単勝オッズ86.3倍)のタップダンスシチーだった。
スタート直後にハナを主張し、一度は逃げる形となったが、1周目のホームストレッチでファインモーションが先頭へ。鞍上の佐藤哲三騎手(当時)はここで相棒と無理にケンカをすることなく馬を落ち着かせたことが最後の粘りにつながったか。
残り1000m付近でハナを奪い返すと、一気にペースを上げて粘り込みを図る。直線を向いたときは後続に7馬身ほどのリードをつけており、そのまま逃げ切るかと思われたが、ゴール寸前でシンボリクリスエスの強襲に屈した。
5歳のタップダンスシチーはG1初挑戦にもかかわらず、堂々の2着。3着に入ったコイントスも8番人気という伏兵で、その年から発売された三連複は4万570円の高配当をつけた。
翌年、6歳となったタップダンスシチーは遅咲きの血を開花させ、ジャパンCを制覇。さらに7歳春には宝塚記念も制している。“人気薄の逃げ馬は押さえよ”という23年前の教訓は今年も覚えておきたいところだ。



