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【GⅠトレンドハンター チャンピオンズカップ】予想する上で押さえておきたい「2つのポイント」とは?

text by 勝木淳

重賞レースのデータ分析では過去10年が一般的だが、競馬のサイクルは短く、10年前の結果は現在と大きく異なることも多い。近年はローテーションも変化し、GⅠ戦線のトレンドが進化している。今回はダート王決定戦・チャンピオンズカップの傾向を、GⅠトレンドハンターである勝木淳氏が考察する。[1/2ページ]

2023年チャンピオンズCを制した時のレモンポップ
2023年チャンピオンズCを制した時のレモンポップ

実はクセだらけの中京1800m戦

 秋のダート王決定戦の舞台は中京ダート1800m。急坂の途中に設けられたゲートからスタートするコースはシンプルなレイアウトながら、クセだらけ。直近5年のトレンドを探りつつ、中京ダート1800mの攻略法もひも解きたい。

開催年 ラップタイム 序盤600m 前半1000m ラスト600m 決着時計 1着馬(通過順)
2020年
(良)16頭
12.7-11.1-12.7-12.0-11.8-12.0-12.1-12.0-12.9 36.5 60.3 37.0 1.49.3 チュウワウィザード(8-7-5-4)
2021年
(良)16頭
12.5-11.1-12.9-12.8-12.1-12.3-12.2-11.8-12.0 36.5 61.4 36.0 1.49.7 テーオーケインズ(5-5-6-6)
2022年
(良)16頭
12.7-11.2-13.1-12.8-12.6-12.6-12.7-11.9-12.3 37.0 62.4 36.9 1.51.9 ジュンライトボルト(9-9-8-10)
2023年
(良)15頭
12.5-11.0-12.9-12.4-12.1-12.4-12.6-12.1-12.6 36.4 60.9 37.3 1.50.6 レモンポップ(1-1-1-1)
2024年
(良)16頭
12.6-11.0-12.4-12.2-12.6-12.4-12.2-12.0-12.7 36.0 60.8 36.9 1.50.1 レモンポップ(2-1-1-1)

 いきなりだが、過去5年のラップタイムをみてもらおう。ポイントは1000m通過タイム。ダートは芝ほどペース差がないイメージだが、中京は独特だ。

 逃げ馬のペース次第で展開は大きく変わる。2021、22年は1000m通過が61秒以上かかっており、スローペース。序盤がゆったり流れれば、先行勢はそう止まらない。

 22年はジュンライトボルトの差しが決まったが、この馬は前年まで芝で活躍し、4勝をあげており、ダートのスローペースに芝で培った瞬発力がハマった。

 芝馬のダート挑戦が苦しいのは、ハイペースが多いフェブラリーSの成績をみれば明らか。厳しい流れ、加速はしないが、落ちもしない。

 最後の最後にラップが落ちるまで我慢し通すのがダートの世界。芝とは試される適性がまるで違う。それだけにジュンライトボルトは中京特有の遅い流れがマッチした感はある。

 それ以外の1000m通過は60秒台。逃げ切ったレモンポップは別枠として、スタートから中盤にかけて、ラップが落ちないで進むと、たいていは差し競馬になる。

 レモンポップが逃げ切った年も2、3着は差し追い込み型だった。つまり、ざっくり速い流れを演出しそうな馬がいるかどうかが優位なポジションを決める。

 複数の逃げ馬がいるなど、速くなりそうな雰囲気を察知した場合は、差し追い込み。そこまで速くないと踏めば、先行型を狙おう。

 というのも、急坂からスタートする1800mは残り1000mまで約800mにわたりのぼり区間が続く。前半がじわじわのぼるコースで1、2コーナーを経て、なおも速いラップを刻むのは、なにかしら事情がないと発生しない。

 今年はダブルハートボンド、ナルカミあたりが逃げ候補。それなりに人気を背負うので、マークされて速くなる可能性は否定できないが、そう速くならないのではないか。

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