【ジャパンカップ 有力馬の採点】カランダガンやマスカレードボールなど、注目馬3頭を徹底分析
11月30日(日)のジャパンカップでは、カランダガンが世界ランク1位の実力を遺憾なく発揮し、海外馬として20年ぶりの優勝を飾った。では、優勝馬を含む各馬の走りはどう評価できるのだろうか。今回はレースを終え、注目すべき3頭を取り上げ、「パフォーマンス」「舞台適性」「今後の伸びしろ」の三つの観点から、それぞれを点数化していく。[1/2ページ]
注目馬3頭の採点

カランダガン
着順:1着(4番人気)
パフォーマンス:10
舞台適性:6
今後の伸びしろ:9
スタート直後にアドマイヤテラが落馬するという波乱の幕開けとなった中、この馬は1番人気のマスカレードボールをマークするようなポジションとなる、中団後ろからレースを進める。
逃げたセイウンハーデスの刻んだペースは、1000m通過57秒6という速い流れ。今までに経験したことのないようなペースだったと思うが、しっかりと対応。直線でマスカレードボールの外へと持ち出すと、手ごたえ通りに伸びてマスカレードボールとの追い比べをアタマ差制しての勝利であった。
素晴らしい点は数多くあるが、中でも特に驚異的なのは、世界レコードとなる2分20秒3の勝ち時計。キングジョージを2分29秒7で勝利した馬が、この時計で走れるということがまず驚きであった。
ハイペースだった上にラスト3Fも加速しているラップを差し切り、自身の上がりも33秒2とメンバー中最速。欧州最強馬の力を日本でもまざまざと見せつけ、G1・4連勝を飾った。
セン馬である上にまだ4歳であるため、来年も現役続行の予定。来年もぜひ来日してほしいし、この馬の活躍を見てほかの外国馬もジャパンカップに積極的に挑戦してもらえると、さらに盛り上がることだろう。
マスカレードボール
着順:2着(1番人気)
パフォーマンス:9
舞台適性:8
今後の伸びしろ:9
前走とほとんど同じようなポジションとなる、中団からの競馬。直線は真後ろにいたカランダガンに押し込められそうになりながらも、しっかりと進路を確保して併せ馬の形で伸びる。
ゴール直前まで前に出ていたように見えたが、最後の最後でアタマ差遅れての2着。天皇賞(秋)からの連勝とはならなかったが、自身も従来のレコードを上回るタイムで走破してみせた。
なによりすごいのが、カランダガンによって若干霞んでしまったが、前走の1000m通過が62秒0に対して、今回の1000m通過が57秒6。逃げたセイウンハーデスからは離れていたため額面通りには受け取れないが、レースの質が全く違ったのは明らか。
こういうレース展開でも日本馬最先着を果たし、懸念されていた中3週も問題ないところを見せた。時計の速い決着に加えて入線後の放馬もあり、消耗は心配ではあるが、日本馬の大将格として申し分のない走りを見せてくれた。



