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予想に有益!母父ディープインパクトと好相性の種牡馬(1)重賞勝利数の最強馬が2頭…その血統の特徴は

text by 中川大河

 今年の天皇賞・秋は、3歳馬マスカレードボールが優勝。4度目のG1挑戦で戴冠を果たした。同馬は父ドゥラメンテ、母マスクオフ、そして母の父がディープインパクトという血統。

 ディープインパクトといえば、2012年から2022年まで11年連続でリーディングサイヤーに輝いた大種牡馬だが、その産駒は徐々に減少している。

 その代わりに、ここ数年は母父としての存在感を示していて、2023年に初めてリーディングBMS(ブルードメアサイアー)を獲得。

 キングカメハメハからその座を奪い取り、今年はライバルにセーフティリードをつけて、3年連続リーディングBMSに向けて快走している。

 そこで今回の記事では、母父ディープインパクトと相性のいい種牡馬に注目。

 5つのカテゴリーに分けて、勝率や勝利数など独自に選んだ基準から、それぞれ好相性の種牡馬を紹介していこう(JRAの平地競走のみを対象)。今回は1つ目。

※本文は、2025年11月2日までのデータに基づく。

①重賞勝利数部門

ロードカナロア&ルーラーシップ(10勝)

ロードカナロア(写真左)とルーラーシップ(写真右)
ロードカナロア(写真左)とルーラーシップ(写真右)

 母父ディープインパクトの産駒で最も多くの重賞勝利を収めているのが、ロードカナロアとルーラーシップの2頭。キングカメハメハの直仔が、それぞれ10勝している。

 父ロードカナロア×母父ディープインパクトの重賞ウイナーは合計7頭。そのうち重賞を2勝しているのが、ファンタジスト、アルジーヌ、ブレイディヴェーグの3頭だ。

 この他にレッドモンレーヴ、ボンボヤージ、ランフォーヴァウ、アスクワンタイムの4頭が1勝ずつ挙げている。

 この血統の特徴は、社台系の牧場以外で生産された産駒が好成績を残していること。社台F、ノーザンF、白老Fの3ファームの生産馬は重賞で合計67戦4勝。

 勝率にして、6.0%と振るわない。一方で、3ファーム以外で生産された馬は46戦6勝。勝率13.0%とダブルスコアをつけている。

 また、父ロードカナロアは年齢別成績にも特徴がある。10勝のうち4勝が2歳重賞で、3歳時は重賞1勝とスランプが訪れるが、4歳時は3勝、5歳以降も2勝と、ある程度の成長力を示している。

 対する父ルーラーシップ×母父ディープインパクトの組み合わせだが、代表格のキセキを見ても分かる通り、父ロードカナロアに比べて適性距離が長いのが特徴。

 ロードカナロア産駒が1600m以下で重賞7勝しているのに対し、父ルーラーシップは全10勝を1600m以上で挙げている。

 またルーラーシップ自身にはやや晩成のイメージがあるが、産駒は2歳重賞で【3-1-2-2】と好成績を残している。出走頭数自体は少ないが、出てくれば高い確率で好勝負を演じていることが分かる。

 まとめると、2頭には適性距離に大きな違いがあるが、どちらも2歳重賞で信頼できるといったところか。この条件に当てはまる産駒が出走してきたときは、素直に評価すべきだろう。

【了】
(文●中川大河)

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