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【ジャパンカップに挑んだ凱旋門賞馬 5選】来てくれるだけで尊い!頂点を極めた海外の強豪馬たち

text by 中西友馬

今年も大物外国馬が参戦予定のジャパンカップ。草創期には及ばないが、一時期の外国馬の出走がゼロという時期を乗り越え、再び有力馬が参戦するようになったことは非常に喜ばしいことである。
2005年アルカセット以来となる外国馬の優勝を目にする日も、いよいよ近づいているのかもしれない。
そこで今回は、ジャパンカップに挑戦した凱旋門賞馬に注目。その中でも印象に残った5頭を、ピックアップして紹介する。[1/5ページ]

①トニービン(1988年)

凱旋門賞を制した時のトニービン(Photo by Dan Smith/All sport via Getty Images)
凱旋門賞を制した時のトニービン(All sport via Getty Images)

 最初に紹介するのは、トニービン。日本の競馬ファンからすると、種牡馬としての活躍のほうが印象強い人も多いだろうが、競走馬としても凱旋門賞を制している実績馬である。

 アイルランド生まれのイタリア調教馬であるトニービンは、6歳時の1988年に凱旋門賞で勝利を挙げる。イタリア調教馬としては27年ぶりの凱旋門賞勝利であり、勝ち時計の2分27秒3は、当時では凱旋門賞史上2位の好時計であった。

 その後、来日したトニービンは、1988年のジャパンカップへの出走を果たすこととなる。この年の日本馬の大将格はタマモクロス。

 G1・3連勝を含む8連勝中であり、直前の天皇賞(秋)ではオグリキャップとの芦毛頂上決戦を制して秋の盾を獲得し、ジャパンカップでも1番人気に支持されていた。トニービンは、タマモクロスと僅差の2番人気で、発走を迎えた。

 レースは、中団から進めるトニービンに対して、タマモクロスは後方からの競馬。3〜4角の中間あたりで、早めに外をまくるようにタマモクロスが進出しても、トニービンはジッとしたまま。

 直線に入ると、横に大きく広がった追い比べとなり、外から上がってきたタマモクロスが抜け出す勢い。

 しかし、その内から一度は交わされたように見えたアメリカのベイザバトラーが盛り返すように先頭へ立つと、そのまま押し切って勝利。

 タマモクロスは半馬身差の2着となり、トニービンはタマモクロスを行かせてからその外へ出そうとしたが、オグリキャップがいて外へ持ち出せず、5着に敗れた。

 レース後、トニービンはレース中に骨折をしていたことが判明。このレースを最後に現役を引退し、日本で種牡馬入りとなった。種牡馬としても、ノースフライトやエアグルーヴ、ジャングルポケットなどの活躍馬を多数輩出した。

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