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【敗戦の本質|天皇賞(秋)】2023ダービー馬・タスティエーラは、なぜ敗れたのか?「極端なキレ味勝負では…」

text by 中西友馬

11月2日(日)に行われた天皇賞(秋)は、C.ルメール騎手が騎乗したマスカレードボールが1番人気に応え優勝した。一方、2023年のダービー制覇を含むG1・2勝の実績を持ち、今回2番人気に推されたタスティエーラは8着に敗退。今回は、そのタスティエーラの走りに焦点を当て、レース内容を振り返っていく。[1/2ページ]

2023ダービー馬・タスティエーラは、なぜ敗れたのか…

2025年天皇賞(秋)
2025年天皇賞(秋)タスティエーラ(写真中央・青帽)

 11月2日(日)に東京競馬場で行われた天皇賞(秋)は、1番人気のマスカレードボールが直線で抜け出して勝利。

 人気に応えてG1初制覇を飾り、鞍上のルメール騎手は先々週の秋華賞(エンブロイダリー)、先週の菊花賞(エネルジコ)に続いて、3週連続のG1制覇となった。

 2着にはミュージアムマイルが入り、2頭出走していた3歳馬のワンツー決着。これは、長い歴史のある天皇賞(秋)でも史上初の出来事となった。

 その一方、古馬勢の大将格として2番人気に支持されていたタスティエーラは、8着に敗戦。今回は、この馬の敗因を中心にレースを振り返ってみたいと思う。

 とはいえ、このレースの結果を左右したのは、前半のペースが全てと言っても過言ではない。「前半1000m通過62秒0」をレース前に予想できた人がどれだけいただろうか。

 昨年もスローの瞬発力勝負だったと言われているが、それで前半1000m通過59秒9。そのレースを作ったのは、今年も出走していたホウオウビスケッツであった。

 今年はそれに加えて、宝塚記念を前半1000m通過59秒1のミドルペースで逃げ切ったメイショウタバルも出走しており、昨年よりは速い流れになるだろうというのを、多くの人が想定していた。

 しかし、実際に逃げたメイショウタバルの武豊騎手が刻んだペースは、62秒0。番手につけたホウオウビスケッツともども、先行した2頭は上がり33秒台の脚を使いながら掲示板にも載れなかった。

 馬に乗ったことのない人間があまり批判的なことを言うのはどうかとも思うが、さすがにペースを落としすぎだったのではないかと思ってしまう。

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