【東大流・ポテンシャル分析 ファンタジーS】中心はフェスティバルヒル、見直したい好素材ポペット
東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、2歳重賞の見どころをわかりやすく伝える本企画。今回は、11月1日(土)に行われる ファンタジーステークスを特集する。過去には、2歳女王や翌年のクラシックで活躍馬を多数輩出してきた注目の一戦だ。今年はどのような有望馬が顔を揃えているのか。見どころを丁寧に解説していく。
  
  

11月1日(土)に京都競馬場でファンタジーSが行われる。3年前は10番人気リバーラが逃げ切り、一昨年は15番人気カルチャーデイが勝利、昨年は2、3着に人気薄が入って3連単配当62万円超と荒れに荒れている。
ただ、この3年に関してはその後GⅠで好走する馬が1頭も出走していなかった。レース自体に荒れる原因があるわけではなく、信頼に足る人気馬が参戦すれば順当に結果を出すはずだ。
中心はフェスティバルヒル。皐月賞馬ミュージアムマイルの半妹だ。新潟2歳Sは上がり最速32.5秒の鬼脚を発揮するも3着。前後半4F47.8-45.6のスローにもかかわらず3番手以下の集団は先頭から1秒ほど離れて進んでおり、後ろは総じてノーチャンスの展開だった。
 当時の2着タイセイボーグはアルテミスSでも好走し、4着サンアントワーヌが次走1勝クラス勝ち。レースレベルも相応に高かった。価値ある3着と言っていい。
  
  
馬券的に推したいのはポペット。「次世代スター発掘」の連載では★5評価を出した。その新馬戦では札幌芝1500mの2歳戦史上初となる上がり33秒台をマーク。ラスト11.3-11.3と減速していない点も含め、能力を感じる勝ち方だった。
札幌2歳Sは9着に敗れたが、距離が長くて序盤は折り合いを欠いたし、逆に中盤以降は早仕掛けの消耗戦となってスタミナ負け。ワンターンの1400mなら変わり身がある。
 ほか、ファムマルキーズの前走りんどう賞は開幕週の内有利馬場で、大外枠から終始大外を回ってしまったもの。5着という着順ほど悪い内容ではない。同2着メイショウハッケイも出てくるが、妙味という意味ではコチラを上にとりたい。
  
  
ブラックチャリスはレコード勝ちの新馬戦が好内容だったが、1200m向きのスピードがあり、1ハロンの延長は歓迎と言えないタイプ。
ベレーバスクはサフラン賞の走りを見るにマイルよりは1400mがベターだろう。ただし、前走のメンバーレベルはそこまで高くなかった。
【了】
(文●鈴木ユウヤ)
<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。
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