【単勝1倍台で惨敗した超名馬 5選】断然人気の悲劇…スーパーホースが挫折した日を振り返る
競馬の世界に「絶対」は存在しない。どれほどの実績を積み、どれほどの期待を背負った名馬でも、時に敗北を味わうことがある。しかし、その確信が打ち砕かれた瞬間こそが、競馬の魅力の一つである。今回は、そんな断然人気に支持されながらも馬券圏外に沈んだ、“超”がつく名馬を5頭選出。年代順に振り返っていく。

①2012年天皇賞・春
単勝1番人気1.3倍 オルフェーヴル
最初に紹介するのは、2012年の天皇賞(春)。単勝1倍台の支持を集めたのは、オルフェーヴル。
前年の牡馬クラシック3冠馬で、続く有馬記念でもあっさりと古馬勢を撃破。4歳初戦の阪神大賞典では、結果的にギュスターヴクライのに敗れての2着。
しかし、道中で大きなロスがありながら勝利まであと一歩まで迫ったことで、逆に無尽蔵のスタミナを見せつける格好となっていた。
その後、平地調教再審査を合格したオルフェーヴルは、単勝1.3倍という断然の1番人気に支持されて、天皇賞(春)に出走していた。
レースは、最内枠からビートブラックがハナを主張するも、押して押してゴールデンハインドが先手を取る。
ビートブラックは2番手となり、さらに続いたナムラクレセントとの3頭で、後続を引き離す展開となる。
そんな縦長の馬群の中、注目のオルフェーヴルは後方3番手あたりから進めていた。
前は2周目の向正面に入ったあたりで3頭からナムラクレセントが脱落し、ゴールデンハインドとビートブラックの2頭で引っ張る形となる。
さらに3角ではビートブラックがゴールデンハインドに並びかけて先頭へと立つが、この時点でまだ後続各馬ははるか後方。
オルフェーヴルは池添騎手のアクションが大きくなっているにも関わらず、上がっていく感じはなかった。そのまま前の2頭が後続を10馬身近く引き離して4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線に入っても、先頭のビートブラックはまだ大きなリードを保ったまま。
ゴールデンハインドは苦しくなり、残り200mを切ってトーセンジョーダンが2番手へと浮上するも、オルフェーヴルは中団の大外でもがいていた。
そのまま押し切ったビートブラックが快勝。4馬身差の2着にトーセンジョーダンが入り、さらに2馬身差の3着がウインバリアシオン。人気を集めたオルフェーヴルは伸びを欠き、11着同着に敗れた。
2歳時の京王杯2歳S10着以来となる、キャリア2度目の2ケタ着順に終わったオルフェーヴルだったが、続く宝塚記念では復活の勝利。
その後も凱旋門賞で2年連続2着となるなど、歴代の名馬と比較してもトップクラスの活躍を見せた。そんなオルフェーヴルだけに、この天皇賞(春)の敗戦は、競馬ファンに大きな衝撃を与えた。


